「船員の日」メッセージ 2017年

2017年 AOS船員の日メッセージ 世界をつなぐ、海と人  海は神秘的でこの地球上のあらゆる命を支えています。それは、人間が海からの資源によって豊かに養われているだけでなく、海を渡ることで人が出会い、文化交流が生まれ、 […]

2017年 AOS船員の日メッセージ

世界をつなぐ、海と人

 海は神秘的でこの地球上のあらゆる命を支えています。それは、人間が海からの資源によって豊かに養われているだけでなく、海を渡ることで人が出会い、文化交流が生まれ、また生活に必要な物資を相互に届けあうことで生活が支えられていることも含んでいます。最近は大型客船での観光が盛んなので、海が国境を越えて人々が出会い異なる文化の交流を促す役割も果たしています。しかし、それを支えているのは、見えないところで働いている船員さんたちなのです。

 少し想像してみましょう。日本に輸入される物資の99.7%が船で運ばれてくることを考えると、私たちの命を支えるために今この瞬間、いったいどれほど多くの人が海の上にいて働いていることでしょうか。その意味で、私たちはいつも海からくる恵みと、海で働く人々への感謝を持ちたいものです。そして、感謝と同時に、彼らのために祈ってほしいと思います。なぜなら、船が港から出航し、やがて誰の視野にも入らない大海原に入っていくと、残念ながら陸地に住んでいる人々の多くは船員たちへの関心が消えてしまうからです。彼らは世界の人々の生活を支える実質的な担い手でありながら、どこかで大変な困難にあっていたとしても、それを心配して祈っているのは、愛する家族以外にはほとんどいないのです。私たちは神の前に真の家族ですから、彼らのことをずっと心に留めて見守り、無事を祈り続けたいと思います。

 教会の中には、船員さんたちをサポートする国際的な組織(AOS)があります。日本でも、いくつかの港で継続的に船を訪問し、船員さんたちをサポートするグループがあります。私たちは彼らを通して、日本の港に入ってきた船員たちとつながっていくことができます。どうか船員たちのために祈ると同時に、訪船活動をしている人たちの活動を物心両面で支援して下さるようにお願いします。そして、機会がありましたら、ぜひ一緒に訪船してみてください。

2017年7月9日
日本カトリック難民移住移動者委員会
委員長 松浦悟郎

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