日韓の司教、平和声明「北東アジアの平和を願って」

平和声明「北東アジアの平和を願って」  わたしたち日韓カトリック司教たちは過去23年の間毎年集い、両国民が過去の不幸な歴史を乗り越え、正義と平和の満ち溢れる明るい未来へと共に歩んで行くために真摯な対話と多様な交流を続けて […]

平和声明「北東アジアの平和を願って」

 わたしたち日韓カトリック司教たちは過去23年の間毎年集い、両国民が過去の不幸な歴史を乗り越え、正義と平和の満ち溢れる明るい未来へと共に歩んで行くために真摯な対話と多様な交流を続けて参りました。わたしたちは両国が隣国として古来様々な物と人の交流を積み重ねており、グローバル化された今の時代には、喜ばしいことに経済と文化の面において一層深いかかわりと分かち合いが行われ、共にアジアの平和のために大きく貢献できる関係を打ち立てていると考えています。

 しかし、今日、北東アジアに漂っている不安な情勢はかなり憂慮する事態になっています。北東アジア諸国は、それぞれ他の同じ政治体制の国々と繋がり、軍事力によって自国の安全と繁栄をはかろうとしています。そのことが、各国に脅威と不安を与え、緊張状態を生み出しています。そこで、わたしたち日韓両国の司教たちは、北東アジアの平和を心から願い、ここに声明を発表することにしました。

 神は、人間が紛争解決のためにつねに戦争に訴えるという悪習を絶ち切ることを切に求めています。すべての人は、軍拡競争も核兵器による抑止も確実でほんとうの平和を保障するのではなく、かえって戦争の危険性を増大させるということを深く認識し、「真の平和は相互の信頼の上にしか構築することはできないという原則」(教皇ヨハネ二十三世)に立つべきだとわたしたちは主張します。また軍備増強に莫大な富が費やされることは貧しい人々を耐えがたいほどに痛めつけ、環境をますます悪化させていることも容認できないことです。すべての人、とくに国家元首および軍の指導者は、神と全人類の前において世界の平和に対する重大な責任をたえず考慮し、平和に向けた対話のためにあらゆる努力を続けるべきです。

 暴力は人間の尊厳を損ない、悲惨な結果をもたらすだけの愚かな手段です。人はだれでも、同じ人間として信頼と愛によって結ばれるかぎり、暴力にも打ち勝つことができるはずです。わたしたち日韓の司教たちは、武力ではなく神に信頼し、兄弟愛を積極的に実践しながら、平和建設に取り組むことをすべての人々にあらためて強く呼びかけます。

2017年11月16日
カトリック鹿児島司教座聖堂にて
第23回日韓カトリック司教交流会参加者

韓国カトリック司教協議会
YEOM Soo-jung枢機卿、 KIM Hee-joong大司教、 CHO Hwan-kil大司教, PAK Jeong-il司教、KANG U-il司教、CHANG Yik司教、CHANG Bong-hun司教、LEE Ki-heon司教、 KWON Hyeok-ju司教、RI Iong-hoon司教、YOU Heung-sik司教、CHO Kyu-man司教、JUNG Shin-chul司教、 KIM Son-Tae司教、MOON Chang-Woo司教、OK Hyun-jin司教、YU Gyoung-chon司教、SON Hee Song司教、CHANG Shin-ho司教、KOO Yo Bi司教、PARK Hyun-dong修道院長

日本カトリック司教協議会
髙見三明大司教、前田万葉大司教、岡田武夫大司教、菊地功大司教、押川壽夫司教、大塚喜直司教、梅村昌弘司教、松浦悟郎司教、宮原良治司教、郡山健次郎司教、平賀徹夫司教、諏訪榮治郎司教、浜口末男司教、勝谷太治司教、白浜満司教

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