米ペンシルバニア州での児童性虐待に関連し、教皇が書簡発表

すでに各メディアが報じているとおり、去る8月14日、米ペンシルバニア州大陪審が調査報告を発表し、同州のカトリック教会で、過去70年の間、300人以上の司祭が少年少女への性的虐待を犯し、被害者は1千人に及んでいることが公表 […]

すでに各メディアが報じているとおり、去る8月14日、米ペンシルバニア州大陪審が調査報告を発表し、同州のカトリック教会で、過去70年の間、300人以上の司祭が少年少女への性的虐待を犯し、被害者は1千人に及んでいることが公表されました。実際の被害者はさらに多いと見られ、またこうした事件が長年、教会当局によって隠ぺいされてきた事実も明らかになっています。

この発表を受け、バチカン広報局のグレッグ・バーク局長は17日、声明を発表し、「今週ペンシルベニア州で発表された報告書に関し、この恐ろしい犯罪に対して言えることばは二つ、恥と、悲しみです」と述べ、また「教皇庁は、同州大陪審の長い調査活動と、それにより作成された報告書を真摯に受け止め、未成年者に対する性的虐待を明白に非難します」と語りました。


さらに、20日、教皇フランシスコは「神の民への書簡」を発表しました。
「一つの部分が苦しめば、すべての部分が共に苦しむ」という一コリント12章26節のパウロのことばで始まるこの書簡で教皇は、児童性虐待の被害者とその家族の苦しみは、自分たちの苦しみでもあると述べ、未成年者や弱い立場の成人の保護をあらためて皆に呼びかけています。

今回の報告書にも触れ、この残忍な犯罪を強く非難し、この死の文化を撲滅するために努力しなくてはならないと述べています。さらに、被害者の人たちが長年無視され、問題を解決すべき教会当局者が共犯することで事態を悪化させ、適切な対応が遅れたことは恥ずべきことで、悔い改めが必要であるとも表明しています。

教会が回心し、真理の道を歩めるよう、皆に断食と祈りを求めています。


米司教団声明

さらにこれに先立ち、報告書が発表された14日同日、米司教協議会の会長、ダニエル・N・ディナード枢機卿(ガルベストン・ヒューストン教区大司教)と同「子どもと若者の保護」委員会委員長のティモシー・L・ドハティ司教(インディアナ州・ラファイエット教区司教)が連名で、「ペンシルバニア州大陪審報告書を受けて」と題する声明を発表しています。

この声明の中で、「司教団としてわたしたちは、カトリック司祭と司教によってなされた罪と怠りについて恥じ入り、申し訳なく思っています」と述べ、米司教団はその委員会を通じて、引き続き虐待被害者のいやしのために努力し、こうした性虐待が起きないように決意をもって責任を引き受けていくと表明しています。

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