核兵器禁止条約への署名および批准を要請いたします。 内閣総理大臣 安倍晋三様 先月の教皇フランシスコの訪日にあたりましては、首相をはじめ外務省ならびに警察庁の方々には一方ならぬお世話とご高配を賜りました。衷心より感謝 […]
核兵器禁止条約への署名および批准を要請いたします。
内閣総理大臣
安倍晋三様
先月の教皇フランシスコの訪日にあたりましては、首相をはじめ外務省ならびに警察庁の方々には一方ならぬお世話とご高配を賜りました。衷心より感謝申し上げます。
さて、ご周知の通り教皇は被爆地長崎と広島で極めて意義深い平和メッセージを発信されました。すでに2018年3月15日に、日本カトリック司教協議会社会司教委員会委員長が「核兵器禁止条約への署名・批准を求める要望書」を内閣総理大臣安倍晋三様と外務大臣河野太郎様(当時)に提出させていただいておりましたが、今回は、日本カトリック司教協議会として、教皇のメッセージに促され、内閣総理大臣に核兵器禁止条約への署名および批准の実施を要請することを決議しましたので、ここにその旨をお伝えするものです。
教皇はメッセージの中で次のように訴えています。
- 国際的な平和と安定は、相互破壊への不安や壊滅の脅威を土台とした、どんな企てとも相いれないものです。むしろ、現在と未来のすべての人類家族が共有する相互尊重と奉仕への協力と連帯という、世界的な倫理によってのみ実現可能となります。(11月24日、長崎・爆心地公園)
- 核兵器の保有は、それ自体が倫理に反しています。(同日、広島・平和記念公園)
- 核兵器のない世界が可能であり必要であるという確信をもって、政治をつかさどる指導者の皆さんにお願いします。核兵器は、今日の国際的また国家の安全保障への脅威に関してわたしたちを守ってくれるものではない、そう心に刻んでください。(同日、長崎・爆心地公園)
「核兵器から解放された平和な世界」を実現するために、カトリック教会も「核兵器禁止条約を含め、核軍縮と核不拡散に関する主要な国際的な法的手段」を支持します(11月24日、長崎爆心地公園)。被爆者をはじめ国内外の無数の人々は、唯一の戦争被爆国である日本が核兵器廃絶に関して国際社会をリードすることを期待しています。それに応えるためにも、「核兵器禁止条約」への署名および批准に対してご英断を下されるよう要請いたします。