「船員の日」メッセージ 2021年

2021年 AOS船員の日メッセージ 教皇庁人間開発のための部署は、7月の第2日曜日(今年は7月11日)を「船員の日」と定め、世界中の司牧者、信徒に船員たちのために祈るよう呼びかけています。日本カトリック難民移住移動者委 […]

2021年 AOS船員の日メッセージ

教皇庁人間開発のための部署は、7月の第2日曜日(今年は7月11日)を「船員の日」と定め、世界中の司牧者、信徒に船員たちのために祈るよう呼びかけています。日本カトリック難民移住移動者委員会も、船員たちとその家族のために祈るよう皆様に呼びかけます。


生活をつなぐ海路 - 船員が支える命の道 -

 日ごろ、気に留めることはあまりありませんが、私たちの生活に必要な様々な物資や品物の多くは、海を介して運ばれています。したがって、世界の国々は「海路」(詩編8:9)によって互いに結ばれていると言っても過言ではありません。

海とその労働者:教皇フランシスコが大切にされている「周縁(ペリフェリア)」
 海の世界とそこで行われる人間の活動は魅力と価値のあるものですが、海で働く漁業従事者や船員たちには陸上とは異なる特別の厳しさがあります。大きな経済の課題にも直面しなければなりませんし、新型コロナウイルス感染症パンデミックの影響もより大きく、より深刻です。船員たちの多くは、ワクチンも受けられず、港に寄港しても船から降りて街に出かけることを許されず、中には契約期間を大幅に超えて18ヶ月間も交代できずに乗船したままで働いている人もいます。陸上での人々の活動がほぼ止まっている間でさえ、物資や商品の運搬のほとんどを担い続け、特に、重症の方に必要な医療機器を世界のどこまでも届けたのでした。
 ですから、教皇フランシスコは、厳しい条件の中で働く海の人々に特別に思いを馳せ、感謝し、こうした人々のために祈るようにと勧めておられます。そして教皇は、海の使徒職(ステラマリス)を通しての司牧的奉仕がさらに増えるように願っておられます。船員司牧は、1920年から100年を越えて行われ、現在、全世界で約300の港でチャプレンによる奉仕が行われており、インターネットを通しても船上の船員と世界中の港がつながっています。

「ラウダート・シ」の呼びかけに合わせて
 海の環境保護のために様々な努力がなされています。近い将来、海がもっときれいになるようにと願い、船からの汚染物質投棄の減少への努力(たとえば、船倉の洗浄水を海に流さないなど)、空気が汚染されないような燃料を探す努力も行われています。
 海のプラスチックごみ減少への努力も喫緊の課題です。釣り針や網に、魚の代わりにプラスチックごみがかかる状況で、漁業従事者たちはごみを海に戻さず持ち帰ります。魚の代わりにごみを取らざるをえない現状は、私たち一人ひとりの責任でもあります。地球の大部分は水から出来ていて、その水の循環によって私たち生き物の営みが支えられていることを思い起こし、船員たちや漁業従事者に任せきりにすることなく、一日も早くきれいな地球環境を回復する努力を一緒にいたしましょう。

慈しみ深い神よ、わたしたちの生活を支えるために
今日もいのちをかけて世界の海を航海しているすべての船員たちとその家族を
あなたの恵みで満たし、真の幸せに導いてください。
母なる教会は、一人ひとりの霊的・物質的必要に応えてきました。
1920年から船員司牧に関わる全世界の司祭、修道者、ボランティアスタッフと心を一つに合わせ、
100周年を越えて、これからも船員たちとともに歩むことが出来ますように。
神の母聖マリア、海の星、すべての船員たちとその家族を母の愛で包んでください。
離れ離れになっていても、あなたの御子イエスのうちに一つに結ばれ、
家族の絆を守り育てることが出来ますように。アーメン

2021年7月11日
日本カトリック難民移住移動者委員会
担当司教 マリオ山野内倫昭



カトリック教会の船員司牧(Apostleship of the Sea=AOS)はローマ教皇庁の人間開発のための部署の下にあり、世界各国を移動する船員たちの福利、厚生、医療、霊的なケア、家族の支援のために世界中の港で活動しています。2020年に100周年を迎え、正式名称が「ステラマリス」(海の星)となりました。日本カトリック難民移住移動者委員会船員司牧部会では100周年にあたり、上記の祈りを作成しました。

PAGE TOP