2022年「性虐待被害者のための祈りと償いの日」にあたって 日本カトリック司教協議会会長呼びかけ

日本のカトリック信者の皆様 2022年「性虐待被害者のための祈りと償いの日」にあたって  いのちを賜物として与えてくださった神を信じるわたしたちには、いのちの尊厳を守る務めがあります。教会の聖職者には、その務めを率先して […]

日本のカトリック信者の皆様

2022年「性虐待被害者のための祈りと償いの日」にあたって

 いのちを賜物として与えてくださった神を信じるわたしたちには、いのちの尊厳を守る務めがあります。教会の聖職者には、その務めを率先して果たすことが求められるのは言うまでもありません。
 残念ながら模範であるはずの聖職者が、いのちの尊厳をないがしろにする行為、とりわけ性虐待という人間の尊厳を辱め蹂躙する行為におよんだ事例が、世界各地で多数報告されています。なかでも保護を必要とする未成年者に対する性虐待という、卑劣な行為を行った聖職者の存在も明らかになっています。日本の教会も例外ではありません。
 加えて司教をはじめとした教会の責任者が、聖職者のこうした加害行為を隠蔽した事例が、過去にさかのぼって世界各地で報告されています。
 教皇フランシスコは、聖職者によって引き起こされたこの問題に、教会全体が真摯に取り組み、その罪を認め、ゆるしを請い、また被害にあった方々の尊厳の回復のために尽くすよう求めておられます。また特別の祈りの日である「性虐待被害者のための祈りと償いの日」を設けるようにと、各国の司教団に指示をされました。日本の教会では、四旬節・第二金曜日を、この祈りと償いの日と定めました。2022年にあっては、来る3月18日(金)がこの「性虐待被害者のための祈りと償いの日」にあたります。
 日本の司教団は、2002年以来、ガイドラインの制定や、「子どもと女性の権利擁護のためのデスク」の設置など、対応にあたってきました。昨年12月には、「未成年者と弱い立場におかれている成人の保護のためのガイドライン」を作成し、日本の教会に委ねられている未成年者のいのちを守る使命を果たす決意を新たにしています。今後も、よりふさわしい制度とするために、常に見直しと整備を続けてまいります。
 いまシノドスの道をともに歩んでいる教会は、互いに耳を傾けあい、支え合いながら、連帯の絆に結ばれた共同体であることを目指しています。日本の教会が、いのちの尊厳を守り抜くための努力を怠らない教会共同体であるように、努めて参ります。
 世界中の教会に多くの被害者がおられるといわれます。無関心や隠蔽も含め、教会の罪を認めるとともに、被害を受けられた方々が神のいつくしみの手による癒やしに包まれますように、ともに祈ります。同時に、わたしたち聖職者がこのような罪を繰り返すことのないように、信仰における決意を新たにし、愛のうちに祈り、行動したいと思います。
 どうぞ、四旬節第二金曜日に、またはその近くの主日に、教皇様の意向に合わせ、司教団とともに、祈りをささげてくださいますようにお願いいたします。

2022年2月17日
日本カトリック司教協議会 会長
菊地 功

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