第16回通常総会シノドス教区回答の御礼

SYNODL22-1 2022年6月27日 枢機卿、大司教、司教各位 各教区シノドス担当者各位 日本カトリック司教協議会 シノドス全国担当・東京大司教 タルチシオ 菊地 功 第16回通常総会シノドス教区回答の御礼 ■はじ […]

SYNODL22-1
2022年6月27日

枢機卿、大司教、司教各位
各教区シノドス担当者各位

日本カトリック司教協議会
シノドス全国担当・東京大司教
タルチシオ 菊地 功

第16回通常総会シノドス教区回答の御礼

■はじめに
 昨年、2021年10月より開催された世界代表司教会議 第16回通常総会 シノドスへ向けての歩みの教区フェーズについて、日本国内の16教区のすべてより意見書を提出していただいたことに感謝します。
 多忙にもかかわらず、また新型コロナウイルス感染症蔓延のため「集い」を開催するのが難しいにもかかわらず、教会の現状とこれからの姿について数多くの意見を寄せていただきました。どの意見も貴重な気づきと示唆に富むものでした。また、意見のとりまとめのために尽くしてくださった各教区のシノドス担当者の方々にも心から感謝を表したいと思います。

■これからの予定
 皆さまから寄せられた意見書は司教団として最終文書にまとめ、キリスト教諸教会の方々の意見もうかがいながら、7月に行われる司教総会で採択され、日本の教会の意見として教皇庁シノドス事務局へと送る予定です。また、それぞれの教区からの意見書、ならびにグループ、個人で提出された意見書も同時にそのままシノドス事務局へと送られます。

■継続的な取り組み
 シノドスはこれで終わりではありません。その歩みはまだ始まったばかりです。今回のシノドスのテーマは「ともに歩む教会のために 交わり、参加、そして宣教」となっています。わたしたちの教会の中に生まれる交わり、そして多くの方々の参加によって育まれる信仰共同体は、主イエス・キリストのメッセージを多くの人々に伝えるという宣教というめぐみをもたらします。こうして、教会は福音をのべ伝えるという三位一体の神からゆだねられた使命をより忠実に果たすことができるようになります。

 今回のシノドスはそういった教会の本質に気づき、実践していくことを目指しています。教会に集うすべての信者が神の民として経験した喜び、困難、チャレンジ、課題といったものを全世界的に集め、分かち合い、共感することを通じて教会は刷新されていきます。

 ですので、「ともに歩む」教会の姿を見つけだす取り組みは、今回の意見収集で終わりではありません。これからも続くのです。「ともに歩む」教会、すなわち、シノドス的な教会は、60年前に開催された第二バチカン公会議が示した教会の特徴です。多くの方々と「ともに歩む」教会を作りあげるなかで、わたしたちは教会のすばらしさを実感できるでしょうし、教会の美しさをこの世に示すことができるようになります。ですから、今後も各教区で、各小教区共同体で「ともに歩む」シノドス的教会の姿を探し求めていただきたいと思います。わたしたちの歩みはこれからも続きます。

 さらに、「ともに歩む」教会を求めることは、教会の組織改革を目指しているわけではないことに気がつきましょう。聖職者、奉献生活者、信徒がそれぞれの立場を尊重しつつ、互いに聴き合い、対話を重ねながら作りあげていくのがシノドス的な教会です。現行の制度や組織のありかたを批判するだけでは「ともに歩む」教会は生まれていきません。

 互いに耳を傾けあい、互いに支え合いながら、特により弱い立場にいる人や苦しむ人、外国籍の方々、社会的マイノリティーの方々と「ともに歩む」教会を目指して努力と実践を惜しまないようにしていきたいものです。

■歩みを共にする教会へ
 わたしたち、日本のカトリック教会はこの半世紀、社会の多くの方々と「ともに歩む」教会を目指してきました。その意味でシノドス的教会は、日本の教会ですでに始まっています。しかし、新しい世紀を迎えて20年以上を経て、社会の大きな変動の中で人々の生活も変わってきました。そこに新型コロナウイルス感染症蔓延によるいわゆるコロナ禍が生じました。社会は全体として、人と人とのつながりが希薄になり、交わりが難しくなっています。

 そういった中で、わたしたちの教会が交わりを大切にし、「ともに歩む」教会であることを明確に示すことができたならば、社会に対しての大きな証しになると確信しています。わたしたちは「ともに歩む」旅路の中でキリストに似た者へと成長していきます。聖霊の導きと招きに答えながら、父である神の愛を示す教会となっていきましょう。

以上。

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