アジア司教協議会連盟(FABC)創立50周年 FABC50周年総会議長 グラシアス枢機卿 開会挨拶

アジア司教協議会連盟(FABC)創立50周年 2022年8月22日 開会挨拶〜グラシアス枢機卿 FABC50周年 開会挨拶(2022年8月22日) オズワルド・グラシアス枢機卿(ボンベイ大司教、FABC50周年総会議長) […]

アジア司教協議会連盟(FABC)創立50周年
2022年8月22日

開会挨拶〜グラシアス枢機卿

FABC50周年
開会挨拶(2022年8月22日)
オズワルド・グラシアス枢機卿(ボンベイ大司教、FABC50周年総会議長)



枢機卿猊下、
親愛なる兄弟である司教の皆さん、
親愛なる司祭修道者の皆さん、
そして親愛なるアジアの皆さん、

 天の元后聖マリアの記念日であるこのよき日に、皆様に心よりのご挨拶を申し上げます。

 ボ枢機卿は、この前に、FABCの誕生とその節目について紹介されました。ここでわたしは、未来に目を向けることができます。半世紀が過ぎました。FABCのわたしたちは、アジアの諸民族の皆さんとともに、FABC50周年総会を機に、新たに旅立ちます。

 FABC50周年でいま、読み上げられた聖書箇所に促されて、わたしたちはアジアの教会を見直し、刷新し、再活性化するという記念碑的な働きを始めることになります。わたしたちは、記念し、祝い、これからの数十年間、アジアの教会としてともに歩んでいく方向を示すために集います。霊に開かれたわたしたちは、その霊が導かれるままに、別の道を通っていきます。

 まずはじめに、FABCはこれまでの自らの歩みを確認し、祝います。FABCは、50年前のアジアの教会に特有のニーズと課題に応えて設立されました。わたしたちは、貧しい人の教会、若者の教会、対話する教会を望みました。この目標は、今日でもなお妥当なものです。しかし、大きな変化や新しい課題が非常に多く生まれてきました。うまくいけば、新型コロナウィルス感染症のパンデミックから抜け出せるかもしれません。新たに、社会政治的、経済的緊張、深まる移住者と気候の危機などが現れています。FABC50周年総会の最初の数日間は、各国の状況を知り、新たな現実を討議することに費やされます。これらの課題や現実は、わたしたちを動揺させるかもしれません。しかし驚かせることはないでしょう。わたしたちはそれらとともに生きているからです。

 そして、再び神に向き直り、アジアにいるイエスの顔を探します。わたしたちの多様性にもかかわらず、一人ひとりの中におられるイエスを探し出すのです。イエスとの出会いによって強められ、FABC50周年総会は、アジアにおける教会の新しいビジョンを描き出そうと努めます。教会としてわたしたちは、自分自身のために存在するのではなく、アジアの諸民族すべてに奉仕し、神の国を築き上げるために存在するのです。

 今日の課題に対するわたしたちの応答は、聖霊の力によってわたしたちの現実を変革するために、聖書、聖伝、教導職の教え、そして一致と持続性を促進する司牧実践に根ざして、よく識別されたものでなければなりません(『教会憲章』5参照)。したがって、わたしたちは、FABC50周年総会の次の数日間を、教会公文書とアジアの教会の特徴に関するワークショップと全体会議に費やし、わたしたちが預言者的で、妥当性があり、応答的な教会となり、またそうあり続けることができるようにしました。アジアのためのよりよい教会の役割を識別します。

 このようにしてわたしたちは、FABC50周年総会のテーマ、「アジアの諸民族としてともに旅する」にたどり着き、シノドスの歩みを通して、新しい奉仕の道と、より適切で効果的な組織を模索します。FABC50周年総会では、わたしたちはこれを、シノダリティのうちに、つまり、アジアの人々との交わりのうちに、250人の司教、司祭、修道者、信徒の参加を得て、刷新され、共有された福音化のための働きという使命をもって行うことになります。ここ数年、総会準備のための数度に渡る公聴会に皆さんがご参加いただいたおかげで、たとえばFABCの三者対話の拡充、司教団やすべての教会指導者が教皇フランシスコが述べた「耳を傾ける使徒」となるための支援の充実、パートナーシップ、コミュニケーションと組織構造の改善といった、検討すべき最初のいくつかの重要点がすでに分かっています。これについては、総会の最終週に議論する予定です。

 親愛なる皆さん、わたしたちは、FABC50周年を通じて、総会でも、それ以降も、アジアの人々への奉仕のために自らを再活性化させることを望んでいます。アジアの人々に奉仕する、より活力ある教会となるために、わたしたちは刷新されたFABCを模索します。FABC50周年総会は、アジアの教会が、宣教、礼拝、司牧戦略に関して、自らの取り組みを再考するための足がかりとなるものです。

 新たな局面を迎え、混沌とした不安の中で希望と喜びに満ちた未来を準備しつつ、わたしたちの歩みを導いてくださった三位一体の神に感謝し、聖霊の変わらぬ導きを祈り求めます。親愛なる皆さん、わたしたちのために、そしてFABC50周年総会の成功のために祈り続けてくださるようお願いします。2022年10月30日までのすべての主日のミサで、特別な祈りを唱えてください。そして、わたしたちとともに、「アジアの歌」を喜びのうちに歌い、祝ってください。天の元后聖マリアがアジアのために執り成し、アジアを守ってくださいますように。神がわたしたち一人ひとりを祝福してくださいますように。

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