シノドス第16回総会-第2会期の予想される内容

第2会期の予想される内容 第2会期全体のテーマ: 「宣教的でシノドス的な教会になるためにはどうすればよいか?」 2024年10月2日から27日までバチカンで開催される「シノドス 世界代表司教会議 第16回通常総会 第2会 […]

第2会期の予想される内容

第2会期全体のテーマ:
「宣教的でシノドス的な教会になるためにはどうすればよいか?」

2024年10月2日から27日までバチカンで開催される「シノドス 世界代表司教会議 第16回通常総会 第2会期」(以下、第2会期と表記)の基調となる問いかけは二つあるでしょう。①教会がよりシノドス的なものとなるためにはどうのように変革が必要なのか、②教会がさらに宣教に開かれたものとなるためにはどうしたらよいのか。
この二つの問いかけは表裏一体のものです。教会の特性であるシノダリティを明らかにする目的は宣教のためにあります。なぜなら教会は主イエス・キリストの救いを告げ知らせるという宣教の使命を帯びているからです。また、宣教のための手段はシノダリティに基づく「シノドス的な教会」です。主イエス・キリストが生きておられる教会によって、教会とともに、教会のうちに宣教はなされるからです。

第1の討議:歩みの振り返る

2021年より始まったシノドスの歩みを振り返りながら、すでに到達したこと、実行されたこと、継続中のことが再確認されるでしょう。「霊における会話」が日本のカトリック教会を含む世界各地で実施されているのはこれまでの歩みの大切な実りとなります。教会における女性のミニストリー(任務)、役割などについては、これまでの歩みの中で実行してきた点として第2会期参加者の間で了解し合えると思います。また、教会の新しい奉仕の務めとして女性による助祭職に関しては、今後もより神学的な、司牧的な研究が必要であることが明確になると考えられます。

第2の討議:「関係」について深める

シノダリティが「ともに歩む」ことであり、「シノドス的教会」は「交わり」の教会であるという点は昨年の第1会期で了解し合えました。そこから、さらに進んで「交わり」の具体的な姿である「関係」、「関わり」、「つながり」などについての具体的な内容が討議されるでしょう。第2会期参加者たちの体験や祈りが分かち合われながら、「関係」についての様々な側面が検証されると思います。

第3の討議:「養成」と「識別」の必要性に気づく

「関係」は、人と人とのそれと同じように、あるプロセスを経ていきます。体験と年月を重ねて「関係」は深まります。同じように「シノドス的」教会になるためには、道筋が必要なのです。『討議要綱』は養成と識別の重要性を提示しています。特に識別を明確にするためには、教会が様々なことに対して透明性を保ち、説明責任を果たしていかなければなりません。この点についての活発な議論が会期中に予想されます。透明性をどの程度保つのか、どこまで説明責任を担うのか、などの話し合いとなるでしょう。そして、透明性と説明責任、この二つをよりよく実施するために評価システムが欠かせないと『討議要綱』は指摘しますので、評価の基準については討論の的となるでしょう。なぜなら評価のためには教会の権威者への信頼と従順が必要だからです。

第4の討議:教会はコンテキストの中にある

それぞれの教会が直面する状況、現実といったコンテキストを尊重する教会のあり方を模索するような討議がなされるでしょう。均一化や平準化に陥るのではなく、国や地域にある教会が生きている場の尊重が大切になります。その場合に、一であり、普遍である教会の特性はどのように保たれるのでしょうか。そして、それぞれの教会が直面する現実に即したエキュメニカルな対話、諸宗教との対話、諸文化との対話が促進されるようにと話し合いになるでしょう。

第2会期後の方向性

シノドスは10月で終わりますが、「ともに歩む」教会への道筋は今後も続きます。まず、今回のシノドスでの討議内容がすべて教皇に渡されます。さらにすでに教皇が託した10のテーマについての研究に関する回答はしばらくしたら示される予定です。2025年12月8日で第2バチカン公会議閉会から60年を迎えますので、その際に教皇がなんらかの文書を発表する可能性は高いと想像されます。シノドスの後は『シノドス後の使徒的勧告』を公表するのが通例ですので、それに準ずる文書、あるいはそれ以上のメッセージを含む文書を発表するかもしれません。また、教会のさらなる変革のために『使徒憲章』や『自発教令』が発令されると思います。こうして、神の民である教会は天の国を目指して地上を旅し続けるのです。すべての人が、この旅路の同伴者なのです。

2024年9月5日
日本カトリック司教協議会 シノドス特別チーム
小西広志神父

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