教皇フランシスコの遺言

教皇フランシスコの遺言 2025年4月21日(月)、教皇庁広報部を通じて、21日に逝去した教皇フランシスコの遺言が発表されました。 ―――  憐れみ、そして選ばれた(Miserando atque Eligendo)(1 […]

教皇フランシスコの遺言

2025年4月21日(月)、教皇庁広報部を通じて、21日に逝去した教皇フランシスコの遺言が発表されました。
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憐れみ、そして選ばれた(Miserando atque Eligendo)(1)

三位一体のみ名において。アーメン。

 わたしの地上でのいのちの終わりが近づいていることを感じながら、そして、永遠のいのちへの強い希望をもって、わたしの埋葬地に関してのみ遺言を示したいと思う。

 わたしは、わたしの生涯と司祭・司教としての奉仕職を、主の母マリアに、聖母に、常にゆだねてきた。それゆえ、復活の日を待ち望むわたしの亡骸を、サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂で休らわせてくれることを願う。

 わたしは、わたしの地上での最後の旅がこの古(いにしえ)からの聖母巡礼所で終わることを望む。わたしは、使徒的訪問の初めと終わりに、祈るためにそこに赴いた。わたしの意向を無原罪の聖母に信頼をもってゆだね、優しい母としての気遣いに感謝するためである。

 わたしの墓は、同封の書面で指示するとおりに、上述の教皇大聖堂のパオリーナ礼拝堂(「ローマの民の救い」[Salus Populi Romani]の礼拝堂)とスフォルツァ礼拝堂の間の側廊の壁龕(へきがん)に用意することをお願いする。

 墓は地中にしなければならない。墓は、簡素なものとし、特別な装飾を施さず、「フランシスコ」(Franciscus)とのみ刻む。

 わたしの墓の準備のための費用は、慈善家から集めた献金額でまかなってほしい。この献金は、サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂に移すように命じた。これについてわたしはリベリウス聖堂参事会特別委員のロランダス・マクリカス師に適切な指示を与えた。

 わたしの健康を願い、わたしのために祈り続けてくださった人々に、主がふさわしい報いを与えてくださいますように。わたしの生涯の最後にあった苦しみを、世界の平和と諸国民の友愛のために、主にささげる。

ドムス・サンクタエ・マルタエにて、2022年6月29日

フランシスコ

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(1)教皇フランシスコの標語。ベーダ・ヴェネラビリスによるマタイによる福音書9章9-13節についての説教からとられた。