新教皇レオ十四世の最初の祝福

2025年5月8日(木)、コンクラーベ第2日、午後の1回目(第1日から数えて4回目)の投票で第267代教皇に選出された新教皇レオ十四世は、午後7時23分(日本時間9日午前2時23分)にサンピエトロ大聖堂バルコニーに姿を現 […]

2025年5月8日(木)、コンクラーベ第2日、午後の1回目(第1日から数えて4回目)の投票で第267代教皇に選出された新教皇レオ十四世は、午後7時23分(日本時間9日午前2時23分)にサンピエトロ大聖堂バルコニーに姿を現し、7時26分(日本時間9日午前2時26分)から34分まで8分間にわたり、サンピエトロ広場に集まった人々とインターネット中継を視聴する世界の人々に向けて最初の挨拶を行った。挨拶はイタリア語とスペイン語で行われた。終わりに「アヴェ・マリアの祈り」が唱えられ、最後に「ローマと全世界へ(Urbi et orbi)」の祝福がラテン語で行われた。以下は教皇の最初の挨拶の全文の翻訳。
――― 
 あなたがたに平和があるように。

 愛する兄弟姉妹の皆さん。これが、神の民のためにいのちを与えた、よき牧者である、復活したキリストの最初の挨拶です。わたしもこう望みます。この平和の挨拶が皆さんの心に入りますように。皆さんの家庭に、どこにいたとしてもすべての人に、すべての民族に、すべての地に届きますように。あなたがたに平和があるように。

 これが復活したキリストの平和です。謙遜で、忍耐強い、武器のない平和、武器を取り除く平和です。この平和は神から来るものです。神はわたしたち皆を無条件で愛してくださいます。教皇フランシスコがローマを祝福された、弱々しいけれども常に勇気に満ちた声が、今もわたしたちの耳に残っています。

 ローマを祝福された教皇は、復活祭の朝、世界に、全世界に祝福を与えました。同じ祝福を繰り返すことをわたしに許してください。神はわたしたちを愛してくださいます。神はわたしたち皆を愛してくださいます。悪が打ち勝つことはもはやありません。わたしたちは皆、神のみ手のうちにあります。それゆえ、恐れることなく、神と、また互いに手と手をつないで、前に進んでいきましょう。わたしたちはキリストの弟子です。キリストはわたしたちに先立って歩んでくださいます。世界はこの方の光を必要としています。人類は、神とその愛に達するための橋として、この方を必要としています。皆さんもわたしたちを助けてください。対話と出会いによって互いに橋をかけるために。わたしたちが皆、一つに結ばれて、常に平和のうちにある唯一の民となることができるために。教皇フランシスコよ、ありがとうございます。

 兄弟である枢機卿の皆様にも感謝申し上げたいと思います。皆様がわたしをペトロの後継者に選んでくださったのは、わたしが皆様とともに歩むためです。一致した教会として、常に平和と正義を求め、イエス・キリストに忠実に従う者として、恐れることなく、福音を告げ知らせ、宣教者となろうと労苦するためです。

 わたしは聖アウグスティヌスの子です。アウグスチノ修道会士です。アウグスティヌスはこういいました。「わたしはあなたがたともにキリスト者であり、あなたがたのために司教です」(アウグスティヌス『説教』[Augustinus, Sermo 340, 1: PL 38, 1483]参照)。この意味で、わたしたちは皆、神がわたしたちに用意してくださった祖国に向けてともに歩むことができるのです。

 ローマ教会に特別にご挨拶申し上げます。わたしたちは、どうすれば宣教的な教会になることができるかを探求しなければなりません。教会は、橋をかけ、対話しなければなりません。腕を広げたこの広場のように、人々を受け入れるために常に開かれていなければなりません。(以上、イタリア語。以下、スペイン語)

 すべての皆様、とくに愛するペルーのチクラヨ教区の皆様に一言、ご挨拶させてください。そこでは忠実な民が司教に同伴し、信仰を分かち合い、イエス・キリストに忠実な教会であり続けるために、本当に多くのものをささげました。(以下、再びイタリア語)

 ローマ、イタリア、全世界の兄弟姉妹の皆さん。わたしたちはシノドス的な教会になることを望みます。それは、道を歩む教会、常に平和を求め、常に愛の業を求め、とくに苦しむ人に常に寄り添うことを求める教会です。

 今日はポンペイの聖母への祈願日です。聖母マリアは常にわたしたちとともに歩み、わたしたちに寄り添い、その執り成しと愛をもってわたしたちを助けようと望まれます。

 それでは、皆さんとともに祈りたいと思います。この新しい使命のため、全教会のため、世界の平和のために祈りましょう。そして、特別な恵みを聖母マリアに願い求めましょう。

 アヴェ・マリア……

 

PAGE TOP