シノドスの道の今後について

日本の教会のみなさまへ  昨年(2024年)10月末に閉会したシノドス(世界代表司教会議)第16回通常総会は、「最終文書」を発表し、2021年から全世界の教会で、話し合い、学び合い、分かち合い、祈り合ってきたシノドスの道 […]

日本の教会のみなさまへ

 昨年(2024年)10月末に閉会したシノドス(世界代表司教会議)第16回通常総会は、「最終文書」を発表し、2021年から全世界の教会で、話し合い、学び合い、分かち合い、祈り合ってきたシノドスの道を、続けていくことが確認されました。なお最終文書は邦訳が整い、製本された書籍として発売されますが、その邦訳テキストは今後、教皇庁シノドス事務局公式ホームページにも掲載される予定です。
 また今年3月15日付けで教皇庁シノドス事務局長グレック枢機卿様から、2028年10月に開催が予定されている「教会総会」に至るまでの道程について、教皇フランシスコの裁可を得た文書、「シノドスの実施段階における同伴の歩みに関する書簡」が発表されました(邦訳は中央協議会ホームページ)。
 同文書にはその2028年の教会総会に至る道筋についての指示の文書が、今年の5月に発表されると記されていましたが、その後、教皇フランシスコが帰天され、新教皇レオ十四世の選出などの出来事が続いたため同文書の公表は遅れ、先般6月26日開催のシノドス事務局通常評議会で承認され、教皇レオ十四世の裁可を経て6月29日に公表されました。これについては現在邦訳を進めています。
 また教皇フランシスコが設置された10の特別研究部会は、その報告を6月末に行うことになっていましたが、教皇レオ十四世はさらに検討が必要であるとして、結論を年末までに行うようにと指示をされています。
 これら一連のシノドス事務局からの文書を踏まえ、今後日本の教会においても、それぞれの教区、また小教区、修道院などの共同体で、「ともに歩む」教会を目指して取り組みを継続していきたいと思います。概要は以下の通りですが、具体的な取り組みに関しては、今後、9月初めに全国の教区の司教と担当者向けに勉強会を行い、それぞれの教区で実情に応じて取り組んでいただきます。

 教皇庁シノドス事務局の提案とFABC の指示を受けて、日本のシノドス特別チームは、概要で以下のようなロードマップと取り組みを考えています。

日本の教会のロードマップ(行程表)
2028年の「教会総会」に向けて以下のようなプロセスを踏みたいと考えます。

2025年6月からの1年間 最終文書についての理解を深める期間。
2026年6月からの1年間 各教区、各分野で具体的に取り組みをする期間。
2027年6月からの1年間 各レベルでの評価を行う期間。

 「最終文書」に記されていることについて具体的にどのような選択をするのかは、それぞれの共同体が置かれている社会の現状や生きているコンテキストによって異なっています。しかしわたしたちの教会がどこを向いて歩んでいるのか、どのような困難を抱えているのか、そういうことを共有しながら、ともに歩み、ともに祈り、ともに識別するすべを身につけることは重要であると思います。そのためにも、まず「最終文書」の理解を深める勉強会から始めていきます。
 シノドス特別チームでは、2025年9月4日に大阪で、司教団と各教区の担当者を対象に、また9月8日には中央協議会で職員研修の一環として、折から訪日中のオロリッシュ枢機卿(今回のシノドス総書記)による日本語での講演を含めた「最終文書」の勉強会を行います。その後、各教区の担当者を通じてそれぞれの現場で、同じような勉強会が行われ、今回のシノドスが考えたこと、提示したことが、教会全体に浸透していくことを期待しています。
 同時にそのための手段の一つとして重要な、「霊における会話」の研修も、これまで通り続けていきたいと考えています。
 またシノドス特別チームでは、現在、「最終文書」を学び深めるための手引きとなる簡単な解説書を準備中です。これは9月に最初の勉強会を開催するまでには公表できる予定です。

 日本の教会は、1980年代以降、「ともに歩む」ことを目指してきました。これからも多くの兄弟姉妹と「ともに歩む」教会となるために、そして「宣教する」教会となるために、普遍教会の歩みに合わせながら取り組んでいくことが大切です。

 日本の教会のみなさまの、ご理解とご協力をお願いします。

2025年7月14日
シノドス特別チーム担当
菊地 功