聖ピオ十世司祭兄弟会に関する信徒の皆様へのお知らせ

2026年7月9日 聖ピオ十世司祭兄弟会に関する信徒の皆様へのお知らせ 日本カトリック司教協議会 会長 タルチシオ菊地功枢機卿 +主の平和  2026年7月1日、聖ピオ十世司祭兄弟会は、教皇の認可を受けず、教皇レオ14世 […]

2026年7月9日

聖ピオ十世司祭兄弟会に関する信徒の皆様へのお知らせ

日本カトリック司教協議会
会長 タルチシオ菊地功枢機卿

+主の平和

 2026年7月1日、聖ピオ十世司祭兄弟会は、教皇の認可を受けず、教皇レオ14世の明示された意思に反して、4名の司祭を司教に叙階しました。
 教理省は翌7月2日、この司教叙階を、教皇との一致を拒み、教会の一致を深く傷つける重大な行為であると判断しました。そして、叙階を行った司教、共同叙階司教、新たに叙階された4名は、後から新たに破門されたのではなく、教会法上、その行為を行った時点ですでに破門の状態に入っていたことを公に宣言しました。
 この知らせに接し、不安や戸惑いを感じている方もおられることと思います。とりわけ、これまで同会の典礼に参加したことのある方や、同会の司祭から秘跡を受けた方の中には、自分はどうなるのだろうかと心配している方もおられるでしょう。
 教会は、皆様を恐れさせたり、誰かを一律に断罪したりすることを望んでいるのではありません。正確な事実をお伝えし、一人ひとりの事情に配慮しながら、教会の一致のうちに歩む道をともに確認したいと思います。

1 今回の問題について
 カトリック教会において、司教は、使徒の後継者として、ローマ教皇および他の司教たちとの交わりの中で奉仕します。
 したがって、教皇の認可を受けず、その明示された意思に反して司教を叙階することは、単なる手続き上の違反ではありません。ローマ教皇との交わりを実際上拒み、教会の一致そのものを傷つける重大な行為です。
 教理省は、聖ピオ十世司祭兄弟会に所属する聖職者は離教状態にあり、カトリック教会において合法的に聖務を行う権限を有していないことを明らかにしました。
 また、同会の聖職者による秘跡の授与は非合法であり、とりわけ、同会の司祭が授けるゆるしの秘跡と、同会の司祭が立ち会う婚姻は無効であると説明しています。
 このため、信徒の皆様には、今後、同会が行う典礼や活動への参加を控えてくださるようお願いいたします。

2 同会のミサに参加しただけで破門されるわけではありません
 聖ピオ十世司祭兄弟会のミサに参加したことがあるという理由だけで、すべての信徒が自動的に離教者となり、破門されたわけではありません。
 信徒の責任については、本人が十分な認識と自由な意思をもって同会の教理的立場を正式に受け入れ、ローマ教皇の権威や教会の教導職を拒んでいたかどうかを、個別に判断する必要があります。
 伝統的な典礼への愛着や霊的な理由から同会のミサに参加していたものの、ローマ教皇の権威やカトリック教会の教えを拒否していない方については、離教の責任があると一律に判断されることはありません。
 どうか、自分自身や周囲の方を、すぐに「離教者」または「破門された人」と決めつけないでください。不確かな情報や個人的な判断だけに頼らず、所属教区の司祭または教区本部にご相談ください。

3 過去に受けた秘跡について
 過去に同会の司祭からゆるしの秘跡を受けた方や、同会の司祭の立会いによって婚姻を結んだ方は、「自分が受けた秘跡はすべて無効だった」と、ご自身で判断しないでください。
 ゆるしの秘跡については、当時、教皇による特別な権限が同会の司祭に与えられていた場合があります。婚姻についても、地区裁治権者から必要な立会権限が個別に委任されていた場合があります。
 したがって、過去に受けた秘跡については、その時期や具体的な事情を個別に確認する必要があり、一律に無効と判断することはできません。
 ゆるしの秘跡について心配のある方は、所属教区の司祭または教区が指定する担当者にご相談ください。婚姻については、教区本部の担当部署または教会裁判所にご相談ください。相談の内容は慎重に取り扱われます。

4 完全な交わりに戻る道は開かれています
 聖ピオ十世司祭兄弟会を離れ、カトリック教会との完全な交わりのうちに歩みたいと望む方に対して、教会の扉は開かれています。
 教理省は、完全な交わりに戻ることを望む司祭と信徒のために、具体的な手続きを示しています。
 同会を離れる決断には、人間関係、家族、共同体、これまで大切にしてきた信仰生活など、さまざまな苦しみや葛藤が伴うことがあります。教会は、そのような方を責めるのではなく、まずその声に耳を傾け、敬意と忍耐、温かさをもって迎えたいと願っています。
 完全な交わりへの復帰を望む方は、安心して、地域の教区本部または教区の司祭にご相談ください。

5 互いを非難しないために
 今回の問題をめぐり、インターネットやソーシャルメディア上で、激しい議論や非難が行われることも予想されます。
 しかし、相手を侮辱したり、信仰を決めつけたり、個人を攻撃したりすることは、教会の一致を回復する道にはなりません。
 教会の教えと規律を明確にする一方で、同会との関係に悩んでいる方や、長い間そこで信仰生活を送ってきた方の心の重荷にも、十分に配慮する必要があります。
 不確かな情報を広めたり、本人の事情を確認せずに非難したりすることを避け、教会の公式な情報に耳を傾けてください。

結び――教会の交わりのうちに
 教会が守ろうとしているのは、単なる制度や規則ではありません。キリストが弟子たちに託された、信仰と愛における教会の一致です。
 教会の目的は、誰かを排除することではありません。真理のうちに交わりを守り、離れている人が再び完全な交わりへと戻ることのできる道を開くことにあります。
 不安や疑問を抱いている方は、一人で悩まないでください。教会は、皆様の声に耳を傾け、ともに考え、ともに歩んでまいります。
 互いを非難するのではなく、祈りのうちに支え合い、ローマ教皇と司教団との交わりのうちに、キリストの教会の一致を大切にしてまいりましょう。
 
皆様の上に、神の豊かな祝福と平和がありますように。

以上

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