教皇フランシスコ、「世界宗教者平和の祈りの集い」でのあいさつ(2017.8.3)

 

(以下は、比叡山宗教サミット30周年記念「世界宗教者平和の祈りの集い」のうち、8月3日に国立京都国際会館で行われた式典で読み上げられたものです)

教皇フランシスコ、「世界宗教者平和の祈りの集い」でのあいさつ(2017.8.3)

森川 宏映 天台座主猊下、

30周年を迎えた「世界宗教者平和の祈りの集い」が比叡山で行われるにあたり、ここに参加されている諸宗教の代表者の皆さま方に、喜んでごあいさつ申し上げます。わたしの心は皆さまとともにあり、多くの戦争によって引き裂かれたこの地球において、一致と調和が新たに花開くよう、皆さまとともに祈ってまいります。

例年のこの宗教サミットは、対話と友情の精神を築いていくために重要な貢献を果たしております。これにより、人類家族に新たな平和への道が開かれるよう、世界の諸宗教という花々がともに働くことができます。祈りは、平和に対するわたしたちの努力に息吹を吹き込み支えます。というのも祈りは、人として互いを尊重する気持ちを深化させ、わたしたち相互の愛のきずなを強め、良好な関係と兄弟的な連帯を育てるための断固とした努力を力づけるからです。

暴力やテロに脅かされ、またわたしたちの共通の家である地球に対する増大する脅威によって脅かされている現代世界において、祈りと、共有する問題意識による今回のあかしは、善意の人々に生き生きとしたメッセージを伝えます。わたしたちは、永続する平和は実際、可能であると信じています。祈りのうちに神に向き直れば、不可能なことは何一つないと知っているからです(「アッシジでのあいさつ」2016年9月20日参照)。

この確信ある希望のうちに、またわたしの祈りのうちにある新たな約束とともに、主の豊かな祝福が、比叡山に集うすべての皆さまに注がれるよう、心より祈っております。

フランシスコ
バチカンより
2017年7月18日

PAGE TOP