故ジョセフ・チェノットゥ大司教様のご逝去を悼む

故ジョセフ・チェノットゥ大司教様のご逝去を悼む 髙見三明大司教(日本カトリック司教協議会会長)  聖マリアの誕生の祝日が始まるころ、駐日教皇庁大使ジョセフ・チェノットゥ大司教様が御父のもとに召されました。日本の司教団と教 […]

故ジョセフ・チェノットゥ大司教様のご逝去を悼む

髙見三明大司教(日本カトリック司教協議会会長)



 聖マリアの誕生の祝日が始まるころ、駐日教皇庁大使ジョセフ・チェノットゥ大司教様が御父のもとに召されました。日本の司教団と教会を代表して、教皇様とご遺族にこころからお悔やみを申し上げます。
 故人は、東日本大震災の年の10月20日に着任されました。翌11月、金沢(石川県)で開催予定の日韓司教交流会が、急きょ仙台(宮城県)で行われ、二日目の9日、石巻教会で司教たちとの初対面のとき、大使はあいさつを日本語で始められました。当初から日本の教会になじもうとする姿勢が感じられました。ちなみに10日に司教団はメッセージ「今すぐ原発の廃止を」を発表しました。
 大使はその後、日本の教会のために尽力してくださいました。特に12名の司教の叙階や着座の準備に携わられました。何よりも教皇訪日に際しては、トゥミル参事官や司教団ほかの協力を得たとはいえ、種々こころを砕かれたのではないかと推測します。
 故人は、気さくな方で、なおかつご自分の使命には忠実で、誠実な方でした。もともと血圧が高かった上に、長年の心労が影響したのかもしれません。今年の5月8日未明に自室で倒れられ、東京・御茶ノ水の日本大学病院に緊急搬送され、数回にわたる手術を受けられました。次第に人の話を聞き取るようになられたようですが、話すことはできない状態でした。
 8月初旬に聖母病院に転院され、容態もわずかながら好転し、もし車椅子に乗ることができれば、故国インドに帰ることも可能だろうということでした。引退後は故郷でのんびりと余生を送るつもりでおられたと思いますが、かなえられませんでした。治癒と快復のためのわたしたちの祈りも届かず、新型コロナウイルス感染防止のため、お見舞いも感謝の意を表すこともできなかったのが心残りです。
 昨年、司祭叙階50年を司教団でお祝いした時、大変喜んでおられたのが印象的でした。その喜びが限りなく永遠に満たされるようにとお祈りして参りたいと思います。

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