FABC(アジア司教協議会連盟)50周年記念総会 開催に向けて

FABC(アジア司教協議会連盟)50周年記念総会 開催に向けて FABC事務局長 菊地功(東京教区大司教)  FABC(アジア司教協議会連盟)はアジア各地にある司教協議会の連盟組織です。1970年に教皇パウロ六世がマニラ […]

FABC(アジア司教協議会連盟)50周年記念総会 開催に向けて

FABC事務局長 菊地功(東京教区大司教)

 FABC(アジア司教協議会連盟)はアジア各地にある司教協議会の連盟組織です。1970年に教皇パウロ六世がマニラを訪問された際に集まったアジアの司教たちが話し合い、誕生しました。創立から50年が経過し、その記念の総会が、コロナ禍のために2年遅れて、今年の10月に開催されます。
 司教協議会が各教区の上部組織ではないように、この連盟も各司教協議会の上部組織ではありませんが、第2バチカン公会議の教会憲章で示された、司教の団体性や協働性と翻訳される「コレジアリタス」を具体化し、アジアにおける福音宣教のために協力し、アジアの教会を具体化するために研究や啓発する組織として誕生しました。
 この目的を達成するために、FABCには当初から、九つの分野を担当する部局が設けられ、それぞれに複数のアジアの司教がメンバーとして参加し、専門家の助力を得て、各国の司教たちに宣教司牧の指針を提供してきました。
 指針の中核にあるのは、設立当初から掲げられてきた三重の対話です。すなわち、人々、特に貧しい人との対話、諸宗教との対話、諸文化との対話です。
 この三重の対話が、アジアにおける福音宣教の土台にあると定め、その上で、人間開発、広報、信徒・家庭、神学、教育信仰養成、エキュメニズム・諸宗教対話、福音宣教、聖職者、奉献生活者の九つの部局が設けられてきました。私自身、長いこと人間開発局の委員を務めてきましたが、日本からも司教や専門家が多数、活動に貢献してきました。
 さまざまな事情から、これまで香港に置かれていた事務局は今年、タイのバンコクに移転しました。今回の総会もバンコクで開催される予定です。なお現在の全体の責任者はヤンゴン(ミャンマー)のチャールズ・マウン・ボ枢機卿(会長)、その補佐がコロンボ(スリランカ)のマルコム・ランジット枢機卿(副会長)、そして事務局長には私が任じられています。
 これまでは、南アジア、東南アジア、東アジアの各地の司教協議会がメンバーでしたが、このたび、カザフスタンを中心に中央アジアの司教協議会が誕生したこともあり、南、東南、東、中央と、四つの地域のアジアを網羅することになりました。
 8月22日には、一足早く、バンコクで総会開始の典礼が行われ、ちょうどいま行われているシノドス(世界代表司教会議)のように、アジア全体の教会に、歩みを共にしてほしいと呼びかけています。
 その典礼で、ボ枢機卿は、「今日、教会と世界は、歴史の岐路に立っています」とした上で、「危機感が高まる中、アジアの諸教会はいかにして平和の預言者となることができるでしょうか」と問いかけました。
 そして、今回の総会は、「FABC50周年:アジアの諸民族としてともに旅する…彼らは別の道を通って…行った(マタイ2・12)」をテーマと定め、アジアの教会に対する主の呼びかけを識別し、これからのFABCの在り方を見直す機会であることを強調されました。
 10月12日から30日まで、日本からも複数の司教が参加します。聖霊の導きを、どうかお祈りください。

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