教皇書簡「第2会期継続検討10課題」

シノドス事務局 事務局長 マリオ・グレック枢機卿 親愛なる兄弟、 マリオ・グレック枢機卿さま  2023年10月28日に承認された、世界代表司教会議(シノドス)第16回通常総会第1会期の「まとめ」報告書には、多くの重要な […]

シノドス事務局 事務局長
マリオ・グレック枢機卿

親愛なる兄弟、
マリオ・グレック枢機卿さま

 2023年10月28日に承認された、世界代表司教会議(シノドス)第16回通常総会第1会期の「まとめ」報告書には、多くの重要な神学的課題が列挙されています。これらの課題はすべて、程度の差こそあれ、教会のシノドス的刷新に関連するものであり、また、法的、司牧的な波紋が広がっていないわけではありません。

 これらの課題は、その性質上、詳細な研究が必要です。第2会期(2024年10月2〜27日)の間にこの研究を行うことは不可能であるため、これらの課題が適切に検討されるよう、特定の各研究部会に割り当てられるよう手配しています。これは、2021年10月9日に開始されたシノドスの歩みの一つの成果となるでしょう。

 2月16日にわたしが署名した「自筆証書(Chirograph)」の精神に則り、シノドス事務局の任務は、当該の教皇庁各省との共同の合意によって、これら部会を組織し、全大陸から司教や専門家を呼び集め、既存の研究だけでなく、地方教会に集う神の民におけるもっとも関連のある現在の体験も考慮に入れることです。前述の研究部会が、正真正銘のシノドス的方法に従って活動することが重要であり、あなたがその保証人となってくださるようお願いします。

 そうすることで、第2会期の総会は、わたしが当時割り当てた全般的なテーマ、そして現在、次の問い、「宣教するシノドス的教会になるには」に要約できるテーマに、より容易に焦点を合わせることができるようになります。

 各研究部会は、第2会期に際して、その活動の初期報告を行い、可能であれば2025年6月までにその任務を終了します。

 すべての事柄を十分に考慮した上で、わたしは、「まとめ」報告書の内容に照らして、当該研究部会が以下にまとめた形で示したテーマに取り組むよう指示します。

  1. 東方諸教会とラテン教会の関係性の諸相(「まとめ」6項)。
  2. 貧しい人の叫びに耳を傾ける(「まとめ」4, 16項)。
  3. デジタル環境における宣教(「まとめ」17項)。
  4. 宣教するシノドス的観点からの、『司祭養成基本綱要』改訂(「まとめ」11項)。
  5. 特定の奉仕職の形態に関する神学的・教会法的事象(「まとめ」8, 9項)。
  6. 宣教するシノドス的観点からの、司教・奉献生活・教会諸団体の関係性に関する文書改訂(「まとめ」10項)。
  7. 宣教するシノドス的観点からの、司教の人格と奉仕職の諸相(司教職候補者の選定基準、司教の法的機能、使徒座訪問[アドリミナ]の性質と経過)(「まとめ」12, 13項)。
  8. 宣教するシノドス的観点からの、教皇の代理者の役割(「まとめ」13項)。
  9. 議論の分かれる教義的、司牧的、倫理的諸課題について、共同識別するための神学的基準とシノドス的方法論(「まとめ」15項)。
  10. 教会実践における、キリスト教一致の旅がもたらす果実の受容(「まとめ」7項)。

 シノドス事務局の役割は、わたしが指摘したことに照らして、各部会の任務を明確にするための作業要綱を準備することです。

 これまで成し遂げられてきた働きに感謝するとともに、あなたと、この進行中の旅路に惜しみなく協力してくださるすべての皆さんを、祈りのうちに祝福します。

バチカンより、2024年2月22日
フランシスコ

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