「被造物を大切にするためのミサ」について

「被造物を大切にするためのミサ」について 日本の教会の皆様へ  ローマ教皇庁典礼秘跡省は去る7月3日、『ローマ・ミサ典礼書』の「種々の機会のミサまたは種々の目的のためのミサ」に加える「被造物を大切にするためのミサ」の新し […]

「被造物を大切にするためのミサ」について

日本の教会の皆様へ

 ローマ教皇庁典礼秘跡省は去る7月3日、『ローマ・ミサ典礼書』の「種々の機会のミサまたは種々の目的のためのミサ」に加える「被造物を大切にするためのミサ」の新しい式文と聖書朗読箇所を発表しました。その翻訳を日本カトリック典礼委員会が準備し、このたび常任司教委員会によって承認されましたので、典礼秘跡省の「教令」とともに公表いたします。このミサの式文は、とくに「すべてのいのちを守るための月間(9月1日から10月4日まで)」に使用することが勧められます。

 現在、世界のキリスト教諸教派の間では、神による創造のみわざを思い起こすための記念日を典礼暦に加えることが検討されています。昨年3月と12月、そして今年の5月には、そのためのエキュメニカルな会議がイタリアのアッシジで開催されました。カトリック教会ではとくにフィリピン司教協議会が積極的に取り組んでおり、昨年12月には教皇フランシスコに宛てた要請の書簡が複数の司教協議会による連名で送付され、日本司教団も名を連ねました。ローマ・カトリック教会としての公式の決定はまだ先になるかもしれませんが、今回の新しいミサの式文は、新しい記念日の制定に向けた第一歩ともいえるものでしょう。

 昨年から今年にかけて、アッシジの聖フランシスコによる「太陽の賛歌(被造物の賛歌)」が作られてから800年を記念する行事が世界各地で行われています。この賛歌の一節で始まる回勅『ラウダート・シ――ともに暮らす家を大切に』(2015年)の中で、教皇フランシスコはこう述べています。「存在するすべてのものの中に映し出される神を見ることができるとき、わたしたちの心は、すべての被造物のゆえに主を賛美し、すべての被造物と一つになって主を礼拝したい、という願望に動かされます」(回勅『ラウダート・シ』87)。この式文を用いたミサを通して、神による創造のみわざを賛美するとともに、造られたすべてのものと調和して生きることの大切さを思い起こしていただきたいと思います。

 2025年8月15日 聖母マリアの被昇天の祭日に

日本カトリック司教協議会会長
菊地 功枢機卿




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