日本のカトリック信徒代表団へのメッセージ

1981年2月23日
東京カテドラル聖マリア大聖堂にて

まず、島本要司教(浦和教区司教=当時)が教皇に歓迎のあいさつをした。

教皇様

 「主の聖名によって来られる方は、祝福されますように!」 

 この典礼のことばを借りて、簡単ながら、信徒使徒職委員会々長として、聖下に歓迎のことばを述べ、ここに集まっておられる、日本の信徒代表をご紹介申し上げることは、私にとって身に余る光栄でございます。

 (教皇)聖下をここにお迎えした今、私の脳裡に浮ぶものは、1978年10月16日、聖下がペトロの後継者に選ばれたことを告げた、あの歴史的、感動に充ちた、たそがれの聖ペトロ大聖堂前のシーンであります。あの時のアナウンス“Habemus Papam=われらは教皇を得た”、と叫ぶ特典をこの私にもお許し下さい。事実、私たち、日本の教会は、今現に、私たちの間に、私たちと共に、私たちの近くに聖下においで頂く、特別な恵みに浴しているのです。これを機会に、私たちは、聖座のご指導に対する全き従順を再確認したいと思います。

 ここにお集りの信徒は、それぞれの教区の信徒を代表する方々で、種々の形で信徒の使徒職にたずさわっている者でございます。出席者の中には、教皇庁立信徒評議会の前会員、安斉氏と同評議会の現会員、,相良氏が列席しておられることを、聖下にお知らせ申し上げます。

 最後に、聖下のおことばと、使徒的祝福をお願い申し上げます。


以下は、ヨハネ・パウロ二世のメッセージ

キリストにおいて親愛なる兄弟姉妹の皆さん

1.カトリック信徒の皆さんにあいさつする機会を得たことはわたしにとって、大きな喜びでございます。日本では信徒が、福音の伝播と教会の生の営み全体において、顕著な位置を占めています。これは日本の教会のあかつきから、すでにそのとおりでした。宣教師たちは、信徒の寛大な協力を計算に入れることができましたし、また、信徒の表明する深い信仰に、ことのほか、励まされてきました。日本の教会が生んだ数多い殉教著の中には、司祭、修道者と肩をならべて、死に至るまで、キリストを告白してためらわなかった多くの男女信徒、子供たちまでが教えられています。そればかりでなく、聖フランシスコ・ザヴィエルをして、日本宣教を決意させたのは、日本の一信徒、アンジローであったと言われます。彼は、自国民に、イエズス・キリストを知らせたいとの熱い望みに駆られて、ザヴィエルの説得にかかったのです。アンジローは聖人の有能な宣教の右腕でした。彼はまた、キリスト者が、その伝えるメッセージにのっとって行動するならば、日本国民は必ずキリスト教を受け入れるであろうことも強調しました。日本の教会の黎明期に思いをはせることは、現代の教会における信徒の使命の美しさと深さを理 解するうえで、盛りだくさんのヒントを与えてくれると思います。

2.そのとき以来、今日まで、日本の教会は福音宣教の尊い役務を堅実につづけてまいりました。この国のカトリック信者数は、まだ、いたって少数ではありますが、しかし今日、国土の北から南に至るまで、あちらこちらに熱心なキリスト者共同体が存在し、その一致結束した姿は神の愛と、イエズス・キリストの力の証となっています。キリスト者がその生活を通して行う証は、今日の日本において、福音が信じるに値するメッセージであることの諭しであります。全教会が福音の宣教にあたる教会であらねばなりません。イエズスご自身、その神秘体のメンバーであるわたしたちに、わたしたちの生き方を通して、地の塩、世の光たるべく励ましておられます。
 「あなたがたの光を人々の前に輝かしなさい。そうすれば、人々はあなたがたのよい行ないを見て、天におられるあなたがたの父をほめたたえるであろう」(マタイ5・16)。
 日本の信徒である皆さんには、キリストヘの忠誠、輝く希望、燃ゆる愛によるキリストとの一致のもたらす力をもって、社会の各階層への福音の浸透をはかり、言葉と行動でもって、キリストのメッセージと恵みを分配するという独特の責任が委託されています。真の使徒として、皆さんは、信仰を持たない人々には、キリストを宣教し、信者に対しては彼らの信仰の強化をはかるべく、種々、好機を模索してゆくことでしょう。そうです。あなたたちの役割は教会の生命と使命にけっして欠かせない役割なのです。

3.皆さんを通して、わたしは、日本のすべてのキリスト者の家庭にあいさつを贈りたいと思います。キリスト者の家庭は、かつて、司教シノドスが呼称したように、家族教会であります。そこで、親と子供は愛と理解の共同体を築き上げ、生活の喜びと苦悩を互いに分かち合い、信仰が確信をもって伝授され、敬虔な祈りの中に神への賛美がささげられるからです。
 また、わたしは、キリストの教えた世界観と、倫理性を人々の間に広めることを念頭において、各自の職務に、それを社会に対する奉仕とみなして、専念される専門家と勤労者すべてに、ここにおられる皆さんを代表して、あいさつを贈ります。
 わたしは、また、小教区と種々の施設で、福祉事業、社会的使徒職、教育、カテケージスに積極的にかかわっている男女の皆さんすべてにあいさつを贈ります。
 若い世代の信徒にもあいさつを贈ります。あなたがたは、イエズス・キリストのうちに、みずから発見した、生きがいとその理由を、皆さんの学園または大学のキャンパスにもたらすことができるのです。 
 あなたがたすべてに、申し上げます。聖霊の交わりの中で父なる神の栄光のために、キリストのみ国を広める使命に忠実に踏みとどまってください。イエズスの母マリアが、この国に住む皆さんの兄弟姉妹に、み子を知らせようと志す皆さんを助けてくださいますように。

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