
19世紀末に発布され、教会内外に多大な影響を与えた教皇レオ十三世の回勅『レールム・ノヴァルム』。この文書以降、激動の20世紀を経て、教会は社会に関する教えをさまざまな公文書を通して表現してきました。この教会の「社会教説」の豊かな蓄積を初めて公式に体系化したのが本書です。120年近きにわたる教導権の考察の実りが一冊にまとめられました。
本書は、社会教説の完結した概説であるとともに、教会と社会の近代の歩みを踏まえて現代を総合的に分析し、諸問題がより複雑化・世界規模化する21世紀にあって、教会は社会に対してどのような姿勢をとり、どう行動し、いかなるメッセージを発していくべきなのかを明らかにしています。
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原タイトル | COMPENDIUM OF THE SOCIAL DOCTRINE OF THE CHURCH |
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著者 | 教皇庁 正義と平和評議会 |
発行日 | 2009/7/1 |
判型 | A5上製 |
ページ数 | 540 P |
価格 | 本体価格 3500円(税込3850円) |
ISBN | 978-4-87750-241-6 |
在庫状況 | 発売中 |
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目次
教皇大使の手紙
―『教会の社会教説綱要』日本語版発刊によせて
翻訳者前書き
用語について
アンジェロ・ソダーノ枢機卿書簡
前書き
序文 連帯的な全人的ヒューマニズム
第一章 人間に対する神の愛の計画
一 イスラエルの歴史における解放のための神の働き
二 父の愛の計画を完成するイエス・キリスト
三 神の愛の計画と人間
四 神の計画と教会の使命
第二章 社会教説と教会の使命
一 福音宣教と社会教説
二 社会教説の性質
三 現代における社会教説――歴史記録
第三章 人間と人権
一 社会教説と人間中心の原理
二 「神の似姿」としての人間
三 人という存在のさまざまな様相
四 人権
第四章 教会の社会教説の諸原理
一 意味と一貫性
二 共通善の原理
三 財貨が万人のためにあるという原理
四 補完性の原理
五 参画
六 連帯の原理
七 社会生活の基本的価値
八 愛の道
第五章 家庭――社会の生きた細胞
一 最初の自然な社会である家庭
二 家庭の基盤である婚姻
三 家庭の社会的主体性
四 社会生活の主役である家庭
五 家庭に奉仕する社会
第六章 人間の労働
一 聖書の視点
二 『レールム・ノヴァルム』の預言的価値
三 労働の尊厳
四 働く権利
五 労働者の権利
六 労働者の連帯
七 労働の世界の「新しい課題」
第七章 経済生活
一 聖書の視点
二 道徳と経済
三 個人による創意と企業による創意
四 人間のための経済制度
五 経済における「新しい課題」
第八章 政治共同体
一 聖書の視点
二 政治共同体の基盤と目的
三 政治権力
四 民主主義体制
五 市民社会に奉仕する政治共同体
六 国家と宗教共同体
第九章 国際共同体
一 聖書の視点
二 国際共同体の基本規約
三 国際共同体の組織
四 発展のための国際協力
第十章 環境保護
一 聖書の視点
二 人間と被造界
三 人間と自然環境の間に生じている危機
四 共通の責任
第十一章 平和の促進
一 聖書の視点
二 正義と愛の果実としての平和
三 平和の破綻である戦争
四 平和への教会の貢献
第十二章 社会教説と教会の活動
一 社会における司牧活動
二 社会教説と一般信徒の献身
結論 愛の文明に向かって
引照文献索引
語彙索引