
教皇フランシスコの回勅『ラウダート・シ――ともに暮らす家を大切に』に学び、神、他者、自然、そして自分自身との、調和ある関係を求めつつ生きていくよう呼びかけるとともに、「観る」「識別する」「行動する」という三段階を通じて、エコロジーについての理解を促し、実践へと招く。日本カトリック司教団から、すべての人へと向けられたメッセージ。
原タイトル | |
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著者 | 日本カトリック司教団 |
発行日 | 2024/07/04 |
判型 | B6 |
ページ数 | 160 P |
価格 | 本体価格 800円(税込880円) |
ISBN | 978-4-87750-251-5 |
在庫状況 | 発売中 |
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目次
あいさつ
はじめに
創造の恵みに感謝して/本書の目的
第一部 観るSEE
―「ともに暮らす家」を観る
一 回勅『ラウダート・シ』のまなざし
- 観想の心と事実を見る姿勢
神のくみ尽くしがたい豊かさ/家を守り治める知恵/自然のおきて/未然に防ぐ/物質の循環/環境の倫理 - 問題意識の多角性
信仰生活上の根本課題/十の問いかけ/貧困問題と環境問題の根は同じ/技術主義の脅威/人間に見合った責任/生に資する率直な対話/使い捨て文化からの脱却 - 根本課題―人間性の刷新と共通善の拡充
人間の問題かつ社会の問題/人間性の内的刷新/共通善の拡充
二 大地の叫びと貧しい人の叫び
行動変容への訴え/人的活動が招いた気候危機
- 富裕国の責任
経済格差の拡大/エコロジカルな債務 - 日本におけるエコロジー問題
環境問題からエコロジー問題へ/エコロジー問題としての公害問題/経済発展優先の結果/私的差別、公的差別、構造的差別/エコロジー問題としての原発問題/循環とは無縁の公害源/被ばくという「公害」/エコロジー問題としての基地問題/分断を招く負担の押しつけ/民主主義と地方自治の危機/広範な展望の必要性 - ライフスタイルの転換を目指して
ライフスタイルの転換/ささやかな配慮の積み重ね/問題構造の理解/使い捨て文化/ファストファッションにみる大量生産・大量消費・大量廃棄/先住民への構造的な暴力/ケアの文化/脱炭素社会/エシカル消費/すべてのいのちを守る旅
第二部 識別するDISCERN
―信仰に照らされて識別する
一 時のしるしを照らし出すみことばの光
- 創造主の心
すべては神の愛の贈り物/「すべてを支配する」ことの正しい理解/創造のわざを賛美する/イエスと創造のわざ/創造のわざと宇宙/宇宙を貫くキリストの神秘 - 人間の責任
創造の調和を乱す人間の罪/ヨベルの年の祝い/人間の自然的、道徳的成り立ち/被造界との健全なかかわり/よいサマリア人の模範/三位一体の神の交わりにあずかる
二 時のしるしに目を凝らす教皇の奉仕職
歴代教皇の倫理基準
- 教皇ヨハネ・パウロ二世
環境保護活動に携わる人々の保護の聖人/ヒューマン・エコロジーの真意 - 教皇ベネディクト十六世
天然資源の利用の三条件/社会全体の道徳的方向性 - 教皇フランシスコ
総合的なエコロジーへ/エコロジカルな認識と行動/自然との相互作用である経済、社会、文化
第三部 行動するACT
―ともに生きるために行動する
一 責任ある地球市民として神の愛をあかしする
次世代のために美の種を蒔く/恐れ、貪欲、依存からの解放/
すべてに対する神の愛のあかし
- エコロジカルな霊性
再生のための長い道/霊性―生きる知恵と力の泉/愛によって授けられたいのち/み心が行われますように - エコロジカルな教育
動機づけや教育過程/ともに歴史を作るようにとの招き/新しい普遍的な連帯 - 環境教育に学ぶ
持続可能な消費のための教育/市民性をはぐくむ教育 - ともに歴史を作る
平和へと向かう真の道/現実は理念に勝る/全体は部分に勝る/時は空間に勝る/一致は対立に勝る
二 ともに歩み、ともに識別する教会共同体へ
シノダリティ/ラウダート・シ・アクション・プラットフォーム
- ラウダート・シ・ゴールズ
①地球の叫びにこたえて/②貧しい人々の叫びにこたえて/③エコロジカルな経済へ/④持続可能なライフスタイルを取り入れて/⑤エコロジカルな教育を/⑥エコロジカルな霊性で/⑦地域社会のレジリエンスとエンパワーメント - ラウダート・シ計画
具体的な留意点/計画の進め方
おわりに
すべてのいのちを守るためのキリスト者の祈り
用語解説
参考資料