ローマ・カトリックと宗教改革500年

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宗教改革500年 2017年はマルティン・ルターが『九十五ヵ条の論題』(1517年10月31日)を発表してから500年の記念の年です。カトリック教会とルーテル教会は、かつては激しく対立しましたが、宗教改革500年を共同で記念するという過去に前例のない取り組みを世界各地で進めています。
 日本でも2017年11月23日、長崎のカトリック浦上教会で、日本福音ルーテル教会と日本カトリック司教協議会による宗教改革500年共同記念『平和を実現する人は幸い』を催します。

教会一致運動と第二バチカン公会議

 キリスト教が超教派で対話と和解、一致を目指す「教会一致運動」(エキュメニズム)は、プロテスタント諸派が1910年に開催したエジンバラ世界宣教会議から始まったといえます。プロテスタントと正教会が加わる世界教会協議会(WCC)は、この会議の精神を受け継いで、長年、教会一致運動に取り組んでいます。

 ローマ・カトリック教会もこれに呼応し、第二バチカン公会議(1962年〜1965年)で『エキュメニズムに関する教令』を布告しました。教皇パウロ6世は、1965年にコンスタンティノ一プル総主教アシナゴラスとともに、1054年以来続いていた東西教会相互の破門宣告を取り消しました。

【対話の実り】

 ル一テル世界連盟とローマ・カトリック教会の間では、1967年よりさまざまな対話が重ねられてきました。1999年には、教理論争の中心にあった義認問題の理解にはもはや齟齬(そご)はないとする歴史的な『義認の教理に関する共同宣言』(邦訳2004年/教文館)が調印されました。

 そして2016年10月31日、教皇フランシスコと世界ルーテル連盟代表のムニブ・ユナン議長が、宗教改革500年を記念する年の幕開けとして、スウェーデンのルンド大聖堂で共同の記念を行いました。

 日本でも1984年から日本福音ルーテル教会とカトリック教会双方のメンバーで構成する「ルーテル/ローマ・カトリック共同委員会」が対話を続けています。その実りとして『カトリックとプロテスタント―どこが同じで、どこが違うか』(教文館、1998年)が編纂され、また2014年には、第二バチカン公会議『エキュメニズムに関する教令』の50周年を記念して、カトリック教会、日本福音ルーテル教会、日本聖公会による合同礼拝も行われました。

 2017年の宗教改革500年記念の準備として、一致に関するルーテル=ローマ・カトリック委員会による報告書『争いから交わりへ』(2013年)も翻訳・出版されています(2015年、教文館)。

 ※リーフレット『ローマ・カトリックと宗教改革500年』(カトリック中央協議会発行)を参考にしました。

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