
日本でも2017年11月23日、長崎のカトリック浦上教会で、日本福音ルーテル教会と日本カトリック司教協議会による宗教改革500年共同記念『平和を実現する人は幸い』を催します。
教会一致運動と第二バチカン公会議
キリスト教が超教派で対話と和解、一致を目指す「教会一致運動」(エキュメニズム)は、プロテスタント諸派が1910年に開催したエジンバラ世界宣教会議から始まったといえます。プロテスタントと正教会が加わる世界教会協議会(WCC)は、この会議の精神を受け継いで、長年、教会一致運動に取り組んでいます。
ローマ・カトリック教会もこれに呼応し、第二バチカン公会議(1962年〜1965年)で『エキュメニズムに関する教令』を布告しました。教皇パウロ6世は、1965年にコンスタンティノ一プル総主教アシナゴラスとともに、1054年以来続いていた東西教会相互の破門宣告を取り消しました。
【対話の実り】
ル一テル世界連盟とローマ・カトリック教会の間では、1967年よりさまざまな対話が重ねられてきました。1999年には、教理論争の中心にあった義認問題の理解にはもはや齟齬(そご)はないとする歴史的な『義認の教理に関する共同宣言』(邦訳2004年/教文館)が調印されました。
そして2016年10月31日、教皇フランシスコと世界ルーテル連盟代表のムニブ・ユナン議長が、宗教改革500年を記念する年の幕開けとして、スウェーデンのルンド大聖堂で共同の記念を行いました。
日本でも1984年から日本福音ルーテル教会とカトリック教会双方のメンバーで構成する「ルーテル/ローマ・カトリック共同委員会」が対話を続けています。その実りとして『カトリックとプロテスタント―どこが同じで、どこが違うか』(教文館、1998年)が編纂され、また2014年には、第二バチカン公会議『エキュメニズムに関する教令』の50周年を記念して、カトリック教会、日本福音ルーテル教会、日本聖公会による合同礼拝も行われました。
2017年の宗教改革500年記念の準備として、一致に関するルーテル=ローマ・カトリック委員会による報告書『争いから交わりへ』(2013年)も翻訳・出版されています(2015年、教文館)。
※リーフレット『ローマ・カトリックと宗教改革500年』(カトリック中央協議会発行)を参考にしました。