日本から参加した3人の方々、ジャン=クロード・オロリッシュ枢機卿
議長代理西村桃子さん
司教協議会 日本代表菊地 功大司教
専門家およびファシリテーターシスター弘田 鎮枝
総書記ジャン=クロード・オロリッシュ枢機卿
シノドス総会-第1会期
会期後発表文書
- 世界代表司教会議(シノドス)第16回通常総会 第1会期「まとめ」報告書―宣教するシノドス的教会(2023.10.28)
- 世界代表司教会議(シノドス)第16回通常総会 参加報告(2023.12.14)
- 世界代表司教会議(シノドス)第16回通常総会 『神の民への手紙』(2023.10.25)
開始前発表文書
- 菊地 功大司教:シノドス第16回通常総会 第一会期の始まりにあたって(2023.9.28)
- シノドス事務局長:グレック枢機卿の各国司教宛の手紙(邦訳)(2023.9.12)
- 2022年国際障害者デーにあたっての教皇フランシスコのメッセージ(2022.12.3)
シノドス現地レポート(カトリック東京大司教区のYouTubeチャンネル)
カトリック東京大司教区のYouTubeチャンネルで公開している菊地功大司教ご本人によるシノドスレポートです。現地の様子がとても良く伝わってくる動画です。
世界代表司教会議 第16回通常総会 「討議要綱」−第1会期
第16回通常総会 第1会期(2023年10月)の「討議要綱」(日本語版)公開
「討議要綱」について
上記「討議要綱」は長い文書ですので、内容を簡単に紹介します。
「本文書の構成について」(13―16項)にあるように、「討議要綱」はセクションA、Bに分かれ、セクションA「シノドス的教会のために。不可欠の体験」では、2021年からこの時点まで歩みを振り返り、世界中から集った「声」をまとめています。A1で「シノドス的教会」とは何か、という基本的な特性を示し、A2で、その運営方法となる、「霊における対話」について解説します。
セクションB「交わり、宣教、参加。シノドス的教会の三つの優先事項」では、三つの質問の形で、すべての大陸での作業からもっとも強く浮かび上がった優先事項を明確にし、総会に提出します。各優先事項に五つのワークシートが提案され、総会で、さまざまな観点から検討するよう準備されています。
これらは2023年10月、バチカンでのシノドス総会の出席者が使用する文書ですが、事前に、全世界にも公開されています。その目的が、すべての信者が「10月総会の結果を待つ間、地方や地域レベルでのシノドス的な動きへ参加するよう促」され、「これによって、地方教会が祈り、考察し、行動し、自らの貢献を果たすよう求めらている」(10項)から、です。
以下に、セクションA1、A2の各まとめと、セクションBの15ワークシートのタイトル一覧を掲載します。
A1.シノドス的教会の特徴的しるし
20.シノドス的教会は、洗礼に由来する共通の尊厳を認識することに基づいて設立され、その洗礼は、受けるすべての人を皆、神の息子と娘、神の家族の一員とし、したがって、唯一の霊が住まい、共通の使命を果たすために遣わされるキリストにおける兄弟姉妹とする、という認識です。
シノドス的教会は、交わりの地平の中以外では理解できないものであり、それはまた、つねに、人間存在のあらゆる次元において福音を告げ知らせ、受肉させるという一つの宣教でもあるのです。
21.シノドス的な教会とは耳を傾ける教会です。
23.シノドス的な教会は謙虚であろうと希望し、ゆるしを請わねばならず、学ぶべきことがたくさんあると理解しています。
24.シノドス的教会とは、出会いと対話の教会です。
25.シノドス的教会は、他の宗教の信者や、教会を取り囲む文化や社会、そして何よりも教会そのものを貫く数多くの不一致の中で、出会いと対話の文化を実践するよう求められています。この教会は、それが担う多様性を恐れることなく、画一化を強いることなく、それを大切にします。
シノドス的教会は、「わたし」から「わたしたち」への移行を促します。
26.シノドス的教会は、開かれ、すべての人を歓迎し、受け入れるのです。
27.シノドス的教会は、愛と真理の関係性をより深く理解せよという呼びかけに、誠実に、恐れることなく直面します。
28.シノドス的教会の特徴は、緊張に押しつぶされることなくそれを運営する能力です。
29.ともに歩もうとすることはまた、わたしたちを不完全さという健全な不安に触れさせることになります。
30.シノドス的教会は、典礼で祝われる神秘の源泉によって絶え間なく自らを養うのです。
31.シノドス的教会がまた識別の教会でもある理由であり、それは、さまざまな霊的伝統の中でこの語がもつ豊富な意味においてそうなのです。
A2.シノドス的教会の進むべき道、霊における対話
参加者の間のダイナミズムは、三つの基本的なステップで表現されます。
37.第1ステップ=各自が発言することに専念し、それは準備の時間に祈りの中で振り返った自分の体験から始めます。他の参加者は、一人ひとりが貴重な貢献をしているという意識をもって、議論や討論をせずに耳を傾けます。
38.第2ステップ=各自が自分の中に、他者と神のためにスペースを開くよう招かれます。再度、各自が発言の場に立ちますが、聞いたことに反応したり反論したり、自分の立場を再確認するためではなく、耳を傾けたことからもっとも深く感動したこと、もっとも大きな課題を感じたことを表現するためです。姉妹や兄弟に耳を傾けることから生まれる内なる足跡は、聖霊がそれとともに自らの声を響かせる言語なのです。
39.第3ステップ=再び祈りの雰囲気の中で、聖霊の導きのもとに、浮かび上がった重要なポイントを特定し、共同作業の成果に関する合意を形づくることです。
B. 交わり、宣教、参加。シノドス的教会の三つの優先事項
B 1. 輝きを放つ交わり。神との一致、そして全人類の一致のしるし、道具となるには、どうすればよいでしょうか。
B 2. 宣教における共同責任。福音への奉仕のため、たまものと働きを、いかにより適切に分かち合えるでしょうか。
B 3. 参加、統治、権威。宣教するシノドス的教会の中には、どのようなプロセス、組織、団体が必要でしょうか。
B 1.用ワークシート。輝きを放つ交わり
B 1.1 愛の奉仕、正義への専心、共通の家のケアは、シノドス的教会において、どのように交わりをはぐくむでしょうか。
B 1.2 シノドス的教会は、「いつくしみとまことは出会う」(詩編 85・11)という約束を、どのように信憑性のあるものにできるでしょうか。
B 1.3 諸教会間でたまものを与え合うという活力ある関係性は、どのように発展していけるでしょう。
B 1.4 新たなエキュメニカルな取り組みを通して、シノドス的教会はどのようにその使命を果たすことができるでしょうか。
B 1.5 福音に照らし、諸文化の豊かさを認め収集し、諸宗教間の対話を発展させるにはどうすればよいでしょうか。
B 2.用ワークシート。宣教における共同責任
B 2.1 宣教の意味と内容の認識を共有するため、わたしたちはどう、ともに歩めるでしょう。
B 2.2 シノドス的教会がまた、「全員が奉仕職を担う」、宣教する教会となるためには、何が行われるべきでしょうか。
B 2.3 女性の、洗礼による尊厳をより深く理解し、促進することによって、現代の教会はどのようにその使命をよりよく果たすことができるでしょうか。
B 2.4 宣教の観点から、洗礼による奉仕職との関連において、叙階された奉仕職を適切に評価するには、どうすればよいでしょうか。
B 2.5 宣教にかかわるシノドス的な観点から、司教の奉仕職をどう刷新し、推進できるでしょう。
B 3.用ワークシート。参加、統治、権威
B 3.1 宣教するシノドス的教会において、権威による奉仕と責任の行使はどのように刷新できるでしょうか。
B 3.2 どのようにすれば、霊の主役性を尊重しながら、真の意味でシノドス的な方法で、識別の実践と意思決定プロセスを発展させることができるでしょうか。
B 3.3 宣教するシノドス的教会を強化するために、どのような組織を展開できるでしょう。
B 3.4 地方教会のグループ化を伴うシノダリティや団体性の事例に、どういった組織を与えられるでしょうか。
B 3.5 どのようにすれば、シノドスの制度を強化し、それを、全シノドス的教会の中の司教の団体性の表現とできるでしょうか。
シノドスのための祈り
Adsumus Sancte Spiritus(聖霊よ、わたしたちはあなたの前に立っています)
あなたのみ名によって集います。
わたしたちのもとに来て、とどまり、
一人ひとりの心にお住まいください。
わたしたちに進むべき道を教え、
どのように歩めばよいか示してください。
弱く、罪深いわたしたちが、
一致を乱さないよう支えてください。
無知によって誤った道に引き込まれず、
偏見に惑わされないよう導いてください。
あなたのうちに一致を見いだすことができますように。
わたしたちが永遠のいのちへの旅を続け、
真理と正義の道を迷わずに歩むことができますように。
このすべてを、
いつどこにおいても働いておられるあなたに願います。
御父と御子の交わりの中で、世々とこしえに。
アーメン。