レポート(1) 菊地 功大司教

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福音を伝える道 喜びをもってともに歩む

東京教区/日本カトリック司教協議会会長
菊地功大司教

  教会は2021年から24年に向かって、シノドスの道を歩み続けています。それぞれの教区での取り組みに始まって、大陸別の取り組み、そしてローマでの会議と道は続いていきますが、そういった実際の会議とは別に、教会が交わりの共同体として「ともに歩む」中で、聖霊の導きを識別することを基本的な姿勢として身に付けることが求められていると思います。
 そのシノドスの道の第2ステージとなる大陸別の会議が、この2月23日から27日まで、タイのバンコク大司教区司牧センター「Baan Phu Waan」を会場に、90人ほどの参加者を得て開催されました。
 昨年提出された各国司教協議会からの回答書を基に、シノドス事務局は昨年10月末に文書、「あなたの天幕に場所を広く取りなさい」を公表し、アジアではこの1月15日までにFABC(アジア司教協議会連盟)に提出されたこの文書への回答書を基に、バンコクで分かち合いを行いました。
 事前にさまざまなカテゴリーの方に参加してもらうようにとのシノドス事務局の指示があり、日本には若手の教区司祭と女性信徒を、司教協議会会長とともに参加させるようにとの指定がありました。英語での会議ですので人選は簡単ではありませんでしたが、高松教区の髙山徹神父とJLMM事務局の辻明美さんに参加していただくことができました。日本からはさらに、文書を作成するチームの東アジア代表として、西村桃子さん(セルヴィ・エヴァンジェリー会員)にも参加していただきました。
 3日間の会議は、ほとんどが6人程度の小グループによる分かち合いで進められました。その分かち合いも互いに議論するのではなく、祈りと沈黙の中で、互いの発言に耳を傾けることに注力し、ともに識別の道を歩むことを目指しました。一緒に日本から参加してくださった方には、日本の代表というよりも一信仰者として自由に発言するようにとお願いしていましたが、それぞれのグループの中で、積極的に発言し、最終の文書に貢献してくださったと思います。
 限られた日程でしたが、朝早くから夕方遅くまで、時間をいっぱいに使って分かち合い、さらにはシノドス事務局から来られた事務局長のマリオ・グレッグ枢機卿や秘書のシスター・ナタリー・ベカールともじっくりと話すことができ、有意義な時間でした。
 基本的にキリスト者が少数派である国が多いアジアで、それぞれの教会が抱える問題を分かち合う中で、やはり福音をさらに伝えるためにどうしたらよいのか、どういう教会であるべきなのかという、福音を喜びをもって伝えるための道をともに歩むことの重要性を、共通認識として持つことができたと思います。今回の集まりの最終文書には、アジアの教会が感じている困難さも記されていますし、アジアの文化を背景にしたFABCのこれまでの活動の振り返りにも触れています。今年10月と来年10月のローマでの会議で、普遍教会の一致の中で、アジアの教会がどのように発言していくのか、その独自性が問われています。
(2023年3月19日付カトリック新聞(第4663号)より)

アジア大陸別ステージを終えて レポート

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