レポート(2) 辻 明美さん

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「緊張」は贈り物

辻 明美さん(JLMM事務局/一女性信徒として参加)

 今回の大陸別ステージは、霊的分かち合い(共同識別)という手法が取られて、小グループで分かち合いを繰り返し重ねることがプログラムの基本になりました。分かち合って、祈って、次に他の人の分かち合いから一番心に響いたことを再び分かち合い、祈り、さらにこのグループとしての分かち合いの要点をまとめる、というように、分かち合いと祈りがとても大事にされました。
 小グループには、それぞれ信徒、女性、若者がいて、枢機卿、大司教、司教、司祭も一人ずつ入っていました。比率としては、まだ男性聖職者が多いものの、アジアの回答書の最終案をつくるに当たってこれだけの人が立場を超えて、一参加者として同じテーブルを囲み、祈り、分かち合えたということは、まさにともに歩むシノドス的な教会の在り方だと思いました。
 個人的には、「緊張」というテーマで分かち合いをしていた時、1人の大司教が「緊張は贈り物だ」と言われたことが心に残りました。私たちの周りにはいろいろな緊張があります。司祭と信徒、男性と女性、外国籍信徒と日本人、貧富の格差など。でも緊張があるということはそこに見方の違いがあったり誤解があったり、交流がないという問題があったりするからで、それに気付けば、お互いに声を聴き合い、緊張を解くために行動を起こしたり、自分を変えるチャンスにもなる。緊張に気付くことこそがともに歩む道のスタートであり、神からの贈り物だということに気付きました。
 今回、アジア大陸別ステージというシノドスの歩みの一つに参加できたことに感謝致します。アジア各国のさまざまな立場の人たちが、たとえ十分ではないにしても、皆で分かち合って、皆で祈った「声」が集約されました。全ての大陸から同じプロセスをたどって集められた「声」が届けられる総会は、ともに歩む教会として豊かなものになると、喜びをもって感じています。
(2023年3月19日付カトリック新聞(第4663号)より)

アジア大陸別ステージを終えて レポート

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