レポート(4) 西村桃子さん

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シノドスが提供するもの

西村桃子さん
(セルヴィ・エヴァンジェリー会員/
アジア大陸別ステージ実行委員・文書作成チームメンバーの
東アジア地域の奉献生活者として参加)

 今回、実行委員会の一人でもあり、文書作成にも携わりましたが、そうしたチームのメンバーも小グループに一緒に参加しました。そして企画の意図がスムーズに実行されているか、問題はないか心を配って、問題が感じられたら、すぐ予定を変えて対応しました。それによって聖霊の力がより働くように場を整えられたことは、すごく良かったと思います。
 私のグループには枢機卿、大司教、司教、シスター、信徒がいました。その参加者の顔ぶれ自体が、「シノドス的な教会はこうありたい」という在り方を示してくれている感じがしました。そして個々の意見ではなく、グループとしての意識を生み出していく教会であろうとすることの大切さを感じました。
 日ごろ、信徒は司教の意見を知らなかったり、司祭が信徒の考えを知らなかったりします。お互いに知らないから誤解が生まれたり、傷つく人が生まれたりしているのかもしれません。お互いが知る機会を持ち、分かち合う機会を持ち、どういう教会になりたいかを話し合う機会を、シノドスが提供しているのだと思います。「これ以外に道はありません」ということをバチカンのシノドス事務局から来た方たちも話していて、本当にそうだなと思いました。これが教会の本来の姿なんじゃないか。そうすることを通して聖職者主義や権威主義を乗り越えていくしかないのではないか。その中で、一人一人の召命の役割も果たされるんじゃないかと思いました。
 会期中、参加者がきょうだい的な雰囲気だったことが印象に残っています。シノドス的雰囲気と言ってもいいかもしれません。グループの分かち合いの時も、皆さん謙虚に、心を開いて、とてもよく聴いておられました。
 文書作成チームは9人でした。一人一人能力のある方たちだと思いますが、チームだったことで、いろいろな目と心で作業が進められて良かったと感じました。
 参加してみて、私たち日本のカトリック教会は恵まれているなと思いました。ほとんどのアジアの国では教会が迫害されています。日本の教会は別の意味で少数派ではありますが、フィリピンや東ティモール以外は、多くがイスラムの国だったり、キリスト教が禁止されていたりします。それでも信仰を生きている人たちがいる。そのアジアで、私も生きているんだなと思います。同じアジアのきょうだいたちが苦しんで頑張っているのだから、もっとキリスト者として頑張ろう、と思えました。
 今回のアジア大陸別ステージは、今後のシノドスの歩みにプラスに働くと思います。10月に開かれるバチカンでのシノドス総会に、アジアの声も届けられます。その総会も本当にシノドス的なものになっていったらいいなと強く思っています。
(2023年3月19日付カトリック新聞(第4663号)より)

アジア大陸別ステージを終えて レポート

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