日本の教会のみなさま シノドス第16回通常総会 第二会期の始まりにあたって 2021年から現在に至るまで開催されているシノドス第16回通常総会の第二会期が、まもなくローマにて、10月2日から27日までの日程で始まります […]
日本の教会のみなさま
シノドス第16回通常総会
第二会期の始まりにあたって
2021年から現在に至るまで開催されているシノドス第16回通常総会の第二会期が、まもなくローマにて、10月2日から27日までの日程で始まります。またこれに先立って、参加者全員は9月30日から二日間の黙想会に参加することになっています。
昨年の第一会期同様、日本からは司教協議会の代表としてわたしが、また教皇様からの任命で西村桃子さんが、さらに顧問としてシスター弘田しずえさんが参加いたします。
第二会期の土台となるのは、先日日本語訳が公開された「討議要綱」です。長い文章ですので、シノドス特別チームではその要約を作成しました。
さらに、第二会期に先立って、5月には小教区で働く司祭のためのシノドスがローマで行われ、日本からは大阪高松教区の髙山徹神父様が、アジアでの大陸別シノドスに続いて参加してくださいました(働く司祭のためのシノドス 報告書)。また8月初めにはバンコクで、FABC(アジア司教協議会連盟)主催のアジアのシノドス参加者の会議が行われ、西村桃子さん、シスター弘田しずえさん、そして講師として髙山徹神父様が参加されました(アジアのシノドス参加者の会議 報告書)。加えて8月末にはルクセンブルグで、シノドス事務局のグレック枢機卿やオロリッシュ枢機卿を迎えて、アジアとアフリカとラテンアメリカの、それぞれの司教協議会連盟の代表が集まり、いわゆるグローバルサウスの諸課題について分かち合う会議も行われ、わたしがFABCの事務局長の立場で参加いたしました(アジア、アフリカ、ラテンアメリカの司教協議会連盟によるシノドス関連会合 報告書)。第二会期に先立って、これらの集まりについて、それぞれの参加者に報告をお願いしましたので、ホームページで公開します。
さて今回の第二会期ですが、しばしば話題に上がる具体的な課題について参加者が意見を交わし、決定をする場ではありません。そのように理解されて、具体的な課題についてのご意見をわたし宛にご送付くださる方もおられますが、残念ながらそういった課題について意見を交換する場とはなりません。
ご存じのように、第一会期で指摘された様々な具体的課題について、教皇様は2月22日付けの文書で10の研究部会を設置され、2025年6月頃をめどに、結論を出すように求められています。これら10の研究部会が取り扱うのは、以下のテーマです。(なお「まとめ」とあるのは、第一会期の「まとめ」文書のことです)
- 東方諸教会とラテン教会の関係性の諸相(「まとめ」6項)。
- 貧しい人の叫びに耳を傾ける(「まとめ」4, 16項)。
- デジタル環境における宣教(「まとめ」17項)。
- 宣教するシノドス的観点からの、『司祭養成基本綱要』改訂(「まとめ」11項)。
- 特定の奉仕職の形態に関する神学的・教会法的事象(「まとめ」8, 9項)。
- 宣教するシノドス的観点からの、司教・奉献生活・教会諸団体の関係性に関する文書改訂(「まとめ」10項)。
- 宣教するシノドス的観点からの、司教の人格と奉仕職の諸相(司教職候補者の選定基準、司教の法的機能、使徒座訪問[アドリミナ]の性質と経過)(「まとめ」12, 13項)。
- 宣教するシノドス的観点からの、教皇の代理者の役割(「まとめ」13項)。
- 議論の分かれる教義的、司牧的、倫理的諸課題について、共同識別するための神学的基準とシノドス的方法論(「まとめ」15項)。
- 教会実践における、キリスト教一致の旅がもたらす果実の受容(「まとめ」7項)。
例えば、しばしば話題に上がる女性の助祭職の可能性は、第5の研究部会が検討を続けており、これらの課題については、第二会期では話し合われることはありませんが、中間報告が期待されています。また研究部会の構成員は、基本的に公開されていません。
これに関してグレック枢機卿は、先日の会議の際に口頭で、「研究部会はこれらの課題の是非を話し合っているのではなく、教皇様がすでにこれらを課題だと認められたからこその研究部会だ」と強調され、それらの課題の必要性や妥当性についての話し合いはすでに十分行われたと強調されています。なおこれらの研究部会の具体的検討内容については、2024年3月14日付けで事務局文書が公開され、日本語訳も公開されています。
さて、まもなく始まる第二会期の一番の目的は、「宣教するシノドス的教会となるには」、いまわたしたち教会は何に取り組み、どのようにあることが必要なのかを、参加者が共に祈り、黙想し、聖霊の導きを識別することにあります。
ローマの会場での祈りと識別がふさわしく行われるように、教会全体で思いを同じくして、祈りによって支え合うことが重要です。また、このたびのシノドスは、ローマでの会議で終わるものではなく、これから先の教会の歩むべき道のりを見極め、それに沿いながら皆で歩みを続けるために行われています。すなわち、これで終了するのではなくて、これからが本番です。
その意味で、司教協議会のシノドス特別チームが作成したハンドブックや、ホームページで邦訳を提供している様々な文書は、これから長年にわたっての教会のための道しるべとなります。いまからでも遅くありません。是非手に取って、共に歩みを始めましょう。