日本カトリック司教協議会

「日本カトリック司教協議会」は、全世界のラテン典礼を行うカトリック教会に共通に適用される、「カトリック教会法」に法的に根ざしている組織です。

 日本カトリック司教協議会(以下、「司教協議会」と呼ぶ)は、教会法(第447-459 条)に定められたカトリック教会の常設機関として、日本におけるカトリック教会の全国的な共通の関心事について協議し、時代に適合した活動を促進することを目的に設置されている。会員は、①教区司教、協働司教、補佐司教、②ローマ使徒座または司教協議会より委託された特別の任務をもつ名義司教、で構成される。
 司教協議会には、会務を総攬し、協議会を代表する会長とそれを補佐する副会長が置かれている。任期は3 年で再任を妨げない。
 司教協議会は、総会のほか、常設機関として、常任司教委員会(後述)直轄の常設委員会、教団関連・諸部門、および特別委員会、福音宣教司教委員会、社会司教委員会、広報宣教司教委員会、および事務局を設ける。現在の正副会長、常任司教委員は2025 年6 月16 日(2025 年度定例司教総会開始時)、各種委員会委員長は2025年6月19日(同総会終了時)に就任し、任期は3年である。

  • 会 長:菊地功(司教協議会会長・枢機卿・東京教区大司教)
  • 副会長:梅村昌弘(司教協議会副会長・横浜教区司教)
  • 会 員:日本全教区司教、補佐司教、名義司教)
  • 担当司教:大塚喜直(京都教区司教)

総会(通常、司教総会) Plenary Assembly

 総会は、上記会員により構成される。総会に出席できない会員は、会長の了解を得て代理人を立てることができる。代理人は、発言権を有するが議決権をもたない。
 総会には、日本カトリック管区長協議会および日本女子修道会総長管区長会の代表者(現在は正副会長各1 名)が招かれる。この代表者たちは、発言権は有するが、議決権はない。
 総会には、定例と臨時がある。その他、随時開催される総会を「特別臨時総会」と呼んで区別している。

常任司教委員会 Standing Committee

 司教協議会の執行機関。総会の閉会中に司教協議会を代表し、その常務を処理する。正副会長以外に総会で選出される5 名の会員で構成される。司教協議会の円滑な運営、総会の議案作成、決議事項の実施促進、予算編成、決算報告、事務局の指導などを任務とする。現在は8 月を除き毎月開催されている。
 なお、宗教法人カトリック中央協議会の責任役員会は、司教協議会の常任司教委員会委員で構成されており、委員長が代表役員を務めている。

  • 委員長:菊地功(司教協議会会長・枢機卿・東京教区大司教)
  • 委 員:梅村昌弘(司教協議会副会長・横浜教区司教)、中村倫明(長崎教区大司教)、勝谷太治(札幌教区司教)、白浜満(広島教区司教)、成井大介(新潟教区司教)、森山信三(大分教区司教)

  以下はその直轄委員会です。

福音宣教司教委員会 Episcopal Commission for Evangelization

 本司教委員会は、教皇庁福音宣教省の使命と連動し、普遍教会の方向性に則って、日本の教会における福音宣教の推進を司教協議会として担う。
 福音宣教と司牧に直接かかわる委員会および部門の担当司教によって構成され、委員長のもと、現代社会に福音のメッセージを届けるための方針と実践を統括し、教会の多様な宣教活動を支える。

  • 委員長:中村倫明(長崎教区大司教)
  • 委 員:白浜満(広島教区司教)、中野裕明(鹿児島教区司教)、大塚喜直(京都教区司教)、成井大介(新潟教区司教)、アンドレア・レンボ(東京教区補佐司教)、山野内倫昭(さいたま教区司教)、前田万葉(枢機卿・大阪高松教区大司教)

社会司教委員会 Episcopal Commission for Social Issues

 本司教委員会は、教皇庁総合的人間開発省の使命と連動し、普遍教会の社会司牧の方向性に則って、日本の教会における社会福音化の推進を司教協議会として担う。
 委員長の司教以下、日本カトリック正義と平和協議会、日本カトリック部落差別人権委員会、日本カトリック難民移住移動者委員会の各委員長、および子どもと女性の権利擁護部門とHIV/AIDS 部門の各担当司教とで構成している。

  • 委員長:森山信三(大分教区司教)
  • 委 員:松浦悟郎(名古屋教区司教)、ウェイン・バーント(那覇教区司教)、エドガル・ガクタン(仙台教区司教)

広報宣教司教委員会 Episcopal Commission for Social Communications

 本司教委員会は、教皇庁広報省およびFABC(アジア司教協議会連盟)広報部門の使命と連動し、普遍教会およびアジアの教会の広報宣教の方向性に則って、日本の教会における広報宣教の推進を司教協議会として担う。また、福音宣教の観点から、司教協議会の広報活動全般に関する運用・運営についての方針を示し、時代の要請にこたえて、現代における福音宣教としての広報の将来を展望する。

  • 委員長:勝谷太治(札幌教区司教)
  • 担当司教:酒井俊弘(大阪高松教区補佐司教)

[事業]カリタスジャパン Caritas Japan

 事業体として区分されるものにはカリタスジャパンがある。これまでカリタスジャパンは社会司教委員会の下にある一委員会とされてきたが、2025 年2 月の臨時司教総会での決定により、国際カリタス傘下の団体であることを踏まえ、独立性を確保した事業体という位置づけをなすこととなった。

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